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ねぼしかぼちゃ
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表情差分、小説続き【色を失ったキュアプリズム】

「きゃっ!」  足がもつれて転んでしまった。  闇雲に走ったことで力の加減ができず、疲労も相まって受け身を取れなかった。 「痛っ!」  キュアプリズムは固い地面に膝を激突させてしまった。  激しい痛みが膝に走った。 (うっ・・・怪我しちゃったかな・・・)  地面に倒れた身体を起こしながら恐る恐る、痛みの走った膝を見た。  すると、膝には出血どころか擦り傷すらついていなかった。 「・・・あれ?」  ズキズキと激痛が走っていたが、その痛みもやがて引いていった。  転んだ痛みで我に返ったキュアプリズムは再び歩き始めることにした。 (まずは、ここから脱出しないと)  キュアプリズムは立ち上がろうとしたが、足が異様に重かった。 「うそ・・・どうして・・・」  白いブーツはしなやかさを失い、柔らかかったふくらはぎは弾力を失い、固くなっていた。 「どうして・・・」  震える瞳に映ったブーツはつま先から色を失っていた。  身体をかがませてつま先に触れてみると、まるで石のように硬く冷たく、ざらざらとした感触が指に伝わった。 「そんなっ・・・」  プリズムは足を動かそうとしたが、ついに動かなくなってしまった。  色を失った範囲はだんだんと広くなり、足首のところまで灰色に固まってしまった。  プリズムは足を手で持ったが、重い石のようにびくともしない。  しなやかなブーツは無機質な石のように変わってしまい、足の感覚すら失ってしまった。  石化の範囲はどんどん広がり、ブーツは固い石のように固まってしまった。 「いやあああっ!」  プリズムの顔が真っ青に染まった。  柔らかかったはずのふくらはぎが固く無機質な灰色の石に変わってしまったのだ。  生身の身体が石化してしまった瞬間を見てしまい、プリズムは自分の身体が石化しているという事実をようやく理解し始めた。  脚を登るように石化の範囲は広がり、スカートから覗く生足は冷たい石に変わってしまった。  プリズムは太ももをさすりながら、固く冷たい石になってしまった事実に打ちのめされていた。 「嫌・・・うそ・・・・こんな・・・」  恐怖が胸の中で膨らみ、はち切れそうだった。  そんなプリズムに追い打ちをかけるように、スカートのフリルの先から石化が始まった。  ふわりと広がる柔らかいスカートも固く無機質な石へと変わっていくのだ。 「嫌っ・・・いやあああああああっ!」  プリズムは悲鳴を上げた。 「嫌っ!こんなのっ!・・・いやあああああああっ!」  恐怖で膨れ上がった心はパニックに陥り、子どものように泣き叫んだ。  ボロボロと涙をこぼし、白い衣装の上に滴った。  洞窟にはプリズムの泣き叫ぶ声が響くが、その声は誰にも届かなかった。  泣き叫んでいる間にも石化は進行し、白いスカートは石のように固まってしまった。  スカートのスリットから覗く虹色の星空のような輝きも色を失ってしまった。  暗い洞窟の中を虹色に照らしていた部分が失われ、洞窟の中が暗くなっていくのが分かった。  石化はどんどん進んでいった。  胸のあたりまで石化が進んできた。 「いやああああっ!だれか助けてええっ!」  プリズムは必死に泣き叫ぶが、悲鳴が洞窟の底にこだまするだけで、誰にも届かなかった。  胸元のフリルが柔らかさを失い、先端から固まり始めた。  プリズムは腕を伸ばして助けを求めるが、その指先すら動かしづらくなった。  柔らかい肌が露出した肩もざらざらとした石に変わってしまった。  そして二の腕、肘へと石化の範囲が広がっていった。  プリズムは指が動く限り、暗闇の中で手を伸ばし続けた。  しかし、白い手袋に覆われた指先もついには石と化してしまった。  そして首元まで石化の範囲が迫ってきた。  ピンクの柔らかい髪も先端から石化し始めた。  艶やかな柔らかい髪はざらざらとした固い石へと変わっていった。  髪は数分の内に首のうしろまで石化してしまった。 「うっ・・・ううっ・・・」  プリズムは涙をこぼした。  その涙は石化した衣装に滴り、すぐに乾いてしまった。  そして首元から顎、頬へと石化の範囲が広がっていった。 「いやああああっ!助けてええっ!」  プリズムは泣き叫び続けた。  声を出せなくなれば、誰も助けに来てくれなくなる。  そう感じたプリズムは力を振り絞って悲鳴を上げ続けた。 「いやあああああああっ!たずげで・・・・」  恐ろしく低い声に変わったかと思うと、プリズムの悲鳴は止まってしまった。  もう声を発することすらできない。  プリズムは暗闇に浮かぶ緑色の瞳を潤ませながら、その苦しみを訴えていた。  ピンクの柔らかい髪は急速に石化し、頭の上の白いリボンも重い石の置物へと変わってしまった。  ピンク色の髪や白い衣装はすべて石に変わってしまった。 あとはプリズムの顔半分しか残っていなかった。  冷たい暗闇の中でエメラルドのように輝く瞳だけが浮かんでいた。  涙を浮かべた瞳はこれが最後と言わんばかりに輝いていた。  その光の底には最後まで仲間が助けに来てくれると信じる心が宿っていた。  やがてその最後の輝きも色を失った石へと変わってしまった。  1時間もしないうちにプリズムは全身が石化してしまった。  華やかな白い衣装は無機質な灰色に変わり、柔らかいピンクの髪も固く冷たい石に変わってしまった。虹色に輝く装飾も灰色の石ころに変わってしまった。  動くことも声を発することもなくなったプリズム。  冷たく、音も届かない洞窟の底でこれから長い年月過ごすことになる。  深い洞窟の底で無機質な石と化したプリズムは誰にも見つかることはなく、長い年月の中で徐々に風化し、地面に転がる石ころになるのだ。

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