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風鈴/rin🎐
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🔞車掌さんの背中vol.1

私の住むこの町には、
一時間に一本しか走らない電車がある。

都会の喧騒とは無縁の、
のどかな風景の中をゆっくりと走るその電車は、
まるで時間を置き去りにしたかのようだ。

乗客は数えるほどしかいない日も多く、
時には私一人の貸し切りになることも珍しくない。

十何年と、しわくちゃの笑顔が優しい年配の男性が車掌を務めていたけれど、
今年に入って、新しい方が配属されたと知ったのは、春先のまだ肌寒い頃だった。

彼と初めて言葉を交わしたのは、大雨の日だった。
叩きつけるような雨音で、電車は途中で立ち往生。

他に誰も乗客がおらず、車内に取り残されたのは私だけだった。
不安で心細かった私を気遣って、彼は何度も声をかけてくれた。

温かいお茶を差し出してくれたり、運行状況を丁寧に説明してくれた。
彼の声は低く、落ち着いていて、私の心をそっと包み込んでくれた。

その日から、私の日常は少しずつ色づき始めたのだ。

車内に流れる彼の声に、耳を傾ける日々。
車掌室の見える席に座って、彼の広い背中をずっと見つめていた。

彼の声が聞こえるたび、彼の後ろ姿を目で追うたび、
私の胸は甘く締め付けられた。
この感情が「恋」だと気づくのに、そう時間はかからなかった。

そうしているうちに、半年が過ぎようとしていた。
いつも平日しか乗らないその電車に、週末の予定があり、
私は珍しく土曜日に乗り込んだ。
しかし、車掌室にいたのは、彼以外の見慣れない顔の車掌さんだった。
少しがっかりしつつも、彼の休みが週末なのだと知ることができた。

次の駅で降りた時、なんと隣の車両から彼が降りてきたのだ。
思わず「え?」と声が出そうになった。
しかし、私はとんでもない失敗をしてしまったことに気づく。

今日降りるべき駅はここではなく、次の駅だったのだ。

いつも乗っている電車に、いつもの時間に乗って、
いつもの癖で降りてしまったのだ。

次の駅まで歩けば二時間はかかるだろう。
仕方なく、私はベンチに腰掛けて、次の電車を待つことにした。

すると、ベンチに腰を掛けた私に、彼が話しかけてきた。
「いつもこの駅で降りられますよね?お掛けになられて、具合でも悪くなりましたか?」
彼の優しい声に、私の心臓は跳ね上がった。
「いえ、実は隣駅に用だったのですが、癖で降りてしまいまして…」

そう正直に伝えると、彼はくすりと笑った。
「もし、私でよければ車で送りましょうか?ちょうどその駅に行く予定でして…」

そんな偶然から彼と仲良くなり、毎日の電車がもっともっと楽しみになっていった。
彼と会えるこの電車での時間が、私の生活の中心になっていく。

そして、ある雨上がりの夕暮れ。乗客が誰もいなくなった車内で、
私はもう我慢できなくなって、震える声で彼に告白してしまった。
「好きです。ご迷惑だとは思いますが、
もしよければお付き合いしたいです…。」

彼は少し恥ずかしそうにしながらも、
はにかむように「僕もです」と了承してくれた。

この時のことは、今思い出しても
頭の中が真っ白になる感覚がよみがえってくる。

晴れて交際がスタートした私たちは、
この一時間に一本の電車の中で、二人だけの秘密を育んでいくことになった。

何も変わらないような日常が続いたある日。
いつもの電車に乗っていると、突然、アナウンスが流れた。

「ただいま、全線点検のため、当列車は一時停車いたします。」
車窓の外は、静かな田園風景が広がるばかり。

乗客は、私一人。この貸し切りの空間で、彼と二人きり。
心臓がドクドクと音を立てる。
いけないことだと、分かっていた。
でも、このチャンスを逃したくなかった。

車内を見回りに来た彼へ伝えた。
「キスしたいです」

震える声でそう伝えると、彼の大きな目がゆっくりと私を見た。そして…

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Comments

綺麗です。僕も入れたい

うさいん


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