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他人と比べないマン(えむこ)
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栄之介くんとあなたがイチャイチャするSS📚💜💗

 手を包む温かさでとろりと目が覚める。すっかり見慣れた室内。ぼんやりとした視界で時計を見ると、時刻は朝6時を回ったところだった。どうりで部屋が薄暗いわけだ。まだ起きるのには早いし布団に潜っていようと身動ぎをしたところで、手を握られた感覚と熱い眼差しに気づき顔を上げる。 「……おはよう、先輩。よぉ眠れた?」  隣には恋人の栄之介くん。そうだ、彼とは濃密な夜を過ごしたんだった。思い出された記憶と連動したのか下腹部がやや疼いた。 「栄之介くん、おはよう。いつもより早く目が覚めちゃった」 「ゆっくり二度寝してええよ。出かけるんは昼からって話やし」  先輩にはだいぶ無理させてごめんな、と続くので閉口する。たしかに、昨晩はすごかった。何がとは言わないがとにかくすごかったのだ。おかげで眠る直前のことはよく覚えていない。眠るというよりは疲労がピークに達して意識を手放したに近いだろう。 「もう少し中でごろごろしてようかな」 「うん。喉乾いたら言ってな? ぼくが取ってくるから」  相変わらずの紳士的な振る舞いに心胸がぽかぽかして、ついつい彼の頭を撫でようと手を伸ばしたところで躊躇する。しばし右往左往させ、所在なさげな手に格好がつかなくなって引っ込めようとしたところ手首に大きな手が絡みついた。 「……頭、撫でてくれへんの?」  恋人に――それも普段は高身長が故に常に私を見下ろしている栄之介くんが――上目遣いでそんなことを言うのだ。キュンとしてしまうのは当たり前だ、と誰に言うでもなく開き直り、改めて彼の艷やかな髪に手を滑らせた。  今は周囲が薄暗いために褐色に近い髪も光を纏えば鮮烈な赤に染まる。目を奪うその色を見て、栄之介くんの髪は紅葉のようで綺麗だね、とありきたりな言葉にも彼は嬉しそうに尖った歯を見せて破顔した。  曰く明るい髪色を維持するのは大変で、根元のリタッチのため頻繁に姉が勤める理容室に通っているのだそうだ。  手を頬に添えて濃く凛々しい太い眉を親指でなぞる。彼の芯の強さがうかがえるからチャームポイントだと私は勝手に思っている。左目の下と口元にある黒子、それにふっくらと艶のある下唇が色香を漂わせる。一方で、笑うことで犬歯がちらりと見えると途端に無邪気さが際立つ。  そうしたギャップが彼の魅力の一つだ。  雄々しさのある太い顎に首。浮き出た筋肉の下では規則的に脈を打つ。指を跳ね返すような肌の弾力、柔らかさ。じんわりとした体温。改めて矯めつ眇めつ彼を見て、こんな素敵な男性に私は愛されているのかと歓喜の色が胸いっぱいに広がった。 「――もっと触って?」  誘うように笑う栄之介くんはまさしく妖艶そのものだ。お互いに下着姿で布団にくるまっているのだからこれ以上触るとどうなってしまうかは言うまでもない。にも拘らず、まんまと彼の艶やかな一面に中てられて後には引けないとぐっと息を呑み動きを再開させる。  野太い鎖骨の線を辿り、その下にある胸筋を柔く指で押す。  どくんどくん、と力強い鼓動。呼吸の度に上下している。  強靭かつしなやかな筋肉をむっちりとした脂肪の層が覆っている。この感触がたまらなく好きだった。 「……んふ、くすぐったい」  栄之介くんが小さく笑い、もぞもぞとシーツが擦れる音がする。 「先輩、ほんまにぼくのオッパイ好きやなぁ?」 「うっ……そ、そりゃあ自分に無いものだから……?」 「ふ~ん? まあぼくも先輩のオッパイ大好きやから、人の事言えへんか」  あっけらかんとした様子で言われて口を噤む。私が栄之介くんの胸筋に執着すると同等、いやそれ以上に、彼は私の胸部に対してねちっこい愛撫をする。そう、昨晩だって――。  ……ハッ! だめだだめだ。危うく頭の中が淫猥に染まるところだった。記憶を振り切るように手を肩へと移す。  たくましく肥大した三角筋。栄之介くんとお付き合いするまでは肩の筋肉が三分割されているだなんて知らなかった。それぞれくっきりと筋張っているのがとても勇ましく、うっとりする。  聞けば、三角筋や僧帽筋はシルエットにも大きく影響するので的確なトレーニングを要するらしい。  確かに、先日見かけた雑誌に写っていた筋肉質の男性にはやや物足りなさを感じていた。あれはシルエットの盛り上がりが欠けていたのだろう。  栄之介くんの傍にいると新たな知見が増えていく。好きな人のことをより深く知られるのは幸せだ。  三角筋から繋がるずんぐりとした腕。上腕二頭筋はぽっこりと膨らんでいて、力を込めなくても浮き出た血管がより隆々たる筋肉を際立たせていた。  その見た目の通り栄之介くんはとてつもない膂力の持ち主だ。このたくましい腕により、それはもう余裕だといった表情で私を持ち上げることができる。  まさしく、私が憧れとする男性像そのものだった。 「はー……栄之介くんの体はいつ見てもかっこいいなぁ」  率直な感想が口からこぼれ出る。  このような努力の結晶を、何もしていない私がただ愛でていいんだろうか。  ありがたいような、申し訳ないような。 「ははっ、おおきに。先輩がぎょうさん褒めてくれるから、ぼくも筋トレに励めるねん」  声色で察したのか、まるで心の声まで聞き取ったかのように栄之介くんがにっと笑う。ちらりと覗く鋭い犬歯が眩しい。 「元々鍛えるんは好きやったけど、鍛えれば鍛えるほど喜んでくれる人が傍におるから、やる気がめっちゃ出るんやで」 「それが、好きな人やったらなおさらや」  蕩けたまなざしで私を見つめるものだから、心の奥がぎゅっと掴まれる。  そんな私をよそに、栄之介くんはくっと口角を上げて妖しい笑みを作った。 「それに、鍛えてると色んな体位ができてええやろ? ほら、昨日も――」 「……ッ!!」  栄之介くんは”私を余裕で持ち上げることができる”。つまりはそういうことだ。  現実的ではないと思い込んでいたあんな体位やこんな体位も栄之介くんの手にかかれば楽勝らしい。  その筋トレの成果を私は見て愛でるだけでなく、とことん体で味わわせてもらっているわけでもあって。  ……いや、教え込まされていると表現しても過言ではない。  それほどに、今の私には栄之介くんがいない生活が考えられない。色んな意味で。 「えっと……いつもありがとうございます……」 「ははっ、まさかお礼言われるとは思わんかった。こちらこそ、いつも付き合ってくれてありがとうな、先輩❤」  私の額に軽くキスをした栄之介くんは上体を起こすと、そのままベッドから抜け出る。 「栄之介くん?」 「コーヒー淹れてくるわ。……ついでに、クールダウンもしてこよかな思て」  疑問に思い目線を落とす。すると、栄之介くんお気に入りのパープル色のボクサーパンツの中で”しっかりと”勃ち上がっていた。なんだったら形まで浮かび上がる勢いで、彼の動きに合わせてずっしりとした重量を主張させている。  視線に気付いた栄之介くんが照れ臭そうに笑う。 「や、その……先輩に触られてムラムラしてもうて……」 「あ……う、うん……。ごめんね……?」 「ぼくから触って言うたんやから先輩は悪ないって! と、とにかく、顔洗ってくるわ……」  慌てたような挙動でブラックコーヒーでいいか訊ねられ承諾すると、栄之介くんは広大な背中を丸めて前かがみになりながらそそくさとリビングへと向かった。  昨晩の余韻を漂わせた甘美な雰囲気が一変し、彼の天真爛漫な言動を見てふっと力が抜ける。  本当に、彼と一緒にいるだけで楽しい。    欲を発散するならば今ここで私を抱く手段もあったはずだ。その自慢の膂力を使えばまさしく赤子の手をひねるかのようにたやすいだろう。だけど、彼は決してそのようなことはしない。そもそも考えにすら及んでいないはず。  濃密な情夜もお互いに気分が乗ってスイッチが入っているという前提の上で成り立っていて、これまで彼から無体を働かれたことは一切なかった。  それはなにも夜だけの話ではない。  どこへ行くにしても、何をするにしても、栄之介くんは第一に私のことを気にかけてくれるのだ。  付き合いたての頃はそんなにも私のことを気に掛けなくてもいいと伝えたことがある。  そうすると彼は。 「先輩が喜んでるの見ると、ぼくもめっちゃ嬉しいねん」  屈託のない笑顔で言われてしまったら、ぐうの音も出なかった。  それに、改めて惚れ直してしまったのだ。 「……私って愛されてるなぁ」  微かにコーヒー独特の香ばしさが漂ってきている。栄之介くんはコーヒーが不得手であるから、正真正銘”私のためだけ”の香りだ。  ひたむきな愛を躰に染み込ませながら、依然として彼のぬくもりが残る布団に潜るのだった。 了 おまけ 「姉ちゃ~ん! 来たで~~!!」 「おー、栄之介。なんやえらい元気やな」 「せやねん、聞いて! この間のデートで先輩がな、ぼくの髪見て”紅葉みたいで綺麗だね~”言うてくれてん!!」 「へー、よかったやん。わたしのリタッチのお陰やね」 「ほんまにな! 姉ちゃんいつもありがとうな!! ……ほんで、考えたんやけど~……」 「なに」 「季節によってぼくの髪色変えたら、先輩がもっと喜ぶ?んちゃうかなって思て……。ほら、これからイルミネーションもぎょうさん出てくるやん? それに併せて例えば~……せや! ぴかぴか光るような髪色とかどないや!?」 「……あんた、これ以上色抜いたりあれこれやったら髪ボロボロなんで。そんなんでその人に会えるんかいな」 「そうか~……あかんか……」 「その人も今の赤い色を褒めてくれたんやから、それ維持するだけでええんとちゃうの」 「……うん、せやな!! しばらくはこの色にしとくわ!! ほんなら姉ちゃん、今日もリタッチお願いな~!!」 「はいはい」

栄之介くんとあなたがイチャイチャするSS📚💜💗

Comments

最高の夢小説でした! ありがとうございます!(先輩の性別をはっきり書いてないので、どっちでも感情移入して読めるのが特にGood👍です!) 優しくてお茶目な栄之介くんの凛々しいお顔、逞しく息づく筋肉を間近で堪能する先輩の幸せぶりが特濃で伝わってきました。 栄之介くんが先輩のためだけに淹れてくれたコーヒーなんて、愛でなかったら何なんですか…☕💕 ゲーミング栄之介くん…>おまけ🌈💡✨

燕雀

ただひたすらにイチャイチャする内容でした!!!! 栄之介くんも栄之介くんで「ぼくって先輩に愛されてるなぁ~…お返しできてるかなぁ…」と思うことがよくあるので お互いに莫大のラ~ブ💗を送りあってると思います!!!!! 二人の関係性などが伝われば嬉しいです!!!!😁😁😁

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