経過報告①とか言いながら次の執筆で完成しちゃいました笑
というわけで完成版の先行公開です! 一般公開は一週間後を予定しています。
以下本文
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昼ご飯をさっさと食べ終わると帽子を適当にかぶりどたどたと走りながら玄関へと向かう。後ろから母ちゃんのやかましい叱り声が聞こえてくるがそんなの気にしていられない。
玄関を開けるとそれまでフィルターがかったみたいに聴こえてたセミの大合唱がわっと押し寄せてきた。
「よーし! 今日も遊ぶぞー!!」
僕はいつも通り友達の家に向かっていった。インターホンを押して回り次々に見知った顔が飛び出してくる。6人くらいのグループになったところで今日は何をするかの話になった。
「おい、今日はなにしよっか?」
「ザリガニ釣りは?」
「ばか! この前やったばっかだろ」
「確かに~それじゃあ鬼ごっこはどうかなぁ?」
「お前足超早いじゃん…強すぎてつまんないよ」
「…よし、じゃあ山で虫取りだ!!」
「「「「「「賛成!」」」」」」
ごたごたと言い争いになったけど僕の亀の一声? で一発でやることが決まった。この中で一番強いのは僕だからね。みんなで一列になってぞろぞろと向かっていく。
着いた頃には暑くてあつくてもうしんどくなってきた。床屋で適当に切った髪の間から大粒の水滴がだらりと伝ってくる。でも本番はここからだ!
「よーし! 今日もでっかいヤツを捕まえてやるぞ!」
「「「「「「おー!」」」」」」
こうしてみんなは好きに散らばっていった。僕はみんなには秘密にしている特別な「狩場」へと向かう。あそこはいつもドでかいカブトムシがいるんだ。
そこへと向かっていく途中に意外な人物に出会った。茶髪に今風のボブカットで茶色っぽい肩まで吊り下げたスカート? を着ている自分と同い年のはずなのに妙に大人っぽい雰囲気の女の子が向こう正面から歩いてきた。
「おいミカン! 何でこんなとこにいるんだよ」
「別に…なんでもいいじゃん」
その返答で余計に腹が立った。ただでさえ生意気そうな態度なのに返事まで妙にすまして。無性に意地悪したくなったので急所を攻撃してやることにした。
「へーそっかーまあ『スカンクミーちゃん』だもんな? 色んな所を歩き回ってガスまき散らしてんだろ?」
「…っ!? ち、ちがうもん! たまたま通っただけなの!」
さっきまですまし顔だったミカンの顔が急に赤く染まり、頬をぷくーっと膨らませる。その反応が楽しくてもっといじめたくなった。
「ふ~ん? スカンクでも屁をこかないこともあるんだな! あはははは!!」
「~~~~~っ! もう! やめてやめてやめてぇえええ!!!」
ミカンは涙目になって逃げだしてしまった。よっぽど堪えたらしい。僕はさすがにからかいすぎたかなという罪悪感を無視しつつまた「狩場」へと向かっていった。
「あれ? あんまいないなぁ…」
到着はしたもののなんかいつもほど虫がいない。ってかカブトムシに関しては1匹もいない。どうしたんだ?
「ちょっと歩くかぁ………」
僕は周りを散策するため歩き始めた。
少しばかり歩くといつもは来ないような草むらにたどり着いた。こんな場所あったんだ。あんまり虫とかいなさそうだし戻ろうかな? と思ったその時だった。
「なんか…枯れてる?」
よーくみると一帯が萎れてる。しかもなんか…
「く、臭い…!」
植物からは到底発せられないような腐乱臭が立ち込めていた。あまりの臭気に思わずむせこむ。
「ごふっ! ごほっ…早く逃げなきゃ」
深いダメージを負う前にその場から離れてすーはー呼吸するとやっと落ち着いた。
「あー…臭かった」
もう嫌になったのでその日は収穫0ということで下山することにした。仲間からは散々馬鹿にされるだろうからごまかしてそのまま家に帰った。
今までで最悪の夏休みだったな。今日はそのまま寝た。
………
……
…
夏休みもあと半分だけどそろそろ外行くのも嫌になってくるな。今日は家にいようかな。
そう思ってると母ちゃんの世間話が耳に入ってきた。
「奥さん知ってる? あの事件…」
「知ってますよ~……変な話ですよね」
「えぇ…いったい誰が空き地の草を枯らすのかしら」
「しかも変な毒物使ってるんでしょ? 刺激臭がするってことでしたよね…」
「もぉほんとに不気味で……怖いわぁ」
「ほんとですよ…」
それを聞いてる僕にはピーンと来た。犯人は絶対にミカンだ。僕はあの日のことを思い出していた。思えばあの日、萎びた謎の草むらに出会った時にミカンとすれ違ってた。
「でもなんでミカンが…?」
意味が分からない。植物を枯らすなんてよっぽどのことをしないと出来ないだろうし、そもそもそんなことをする理由があるはずがない。きっと何か事情があるはずだ。
「……問い詰めてやる」
これからの夏休みでやることが決まった。まずは証拠探しからだ。僕は事件のあった場所を巡って回ることにした。
最初に向かったのは母ちゃんたちの話で出てきた空き地だった。そこしか知らないしね。少し歩いて目的地に着くと確かに青々としているはずの草むらが茶色くひしゃげている。そして何よりまだ残り香が臭い。
「うえっ…どんだけ臭いが残ってんだよ…」
うんざりする不快感を我慢しながら近所に人に聞き込みを開始した。まずは空き地のとなりのおじいちゃん家だ。
「ねえじーさん、そのの空き地で事件が起こったのっていつくらい?」
「そうだなぁ………数日前の夕方……18時くらいかね」
「そっか! 18時ね! ありがと!」
必要だと思った情報だけささっとメモして次の目的地を探しながら向かう。他にどこで事件があったかなんて知らないし…歩き回らなくちゃなぁ……。
空き地 18時頃
〇〇公園 19時30分頃
△広場 18時頃
…
…
這う這うの体で家に帰ってきた後メモを整理すると全部で10個くらいの事件が起きた場所と時間が集まった。回覧板に挟まってた町の地図に事件が起きた場所を点で描いてみる。すると全部ミカンの家の周りで起きた事件であった。
「やっぱり…!」
そういえば虫取りに行った時の山もミカンの家の近所だった。だからあんまり不思議には思わなかったんだけど…。
「これでミカンは犯人で間違いないけど…どうやって捕まえよう」
げんこーはん? で捕まえないといけないよな。でも次はいつどこで事件起こすかなんて分かんないなぁ。でもまた家の近くで起こすのは間違いない。
「あれ? でもまだ事件起こってないのって…ここだけじゃん」
そう、次に事件が起きそうな人毛がない草むらのある場所といえばもうこの原っぱしかない。そうと決まったら話は早い。
「事件が起きる時間帯は……夕方くらいかな?」ペラペラ
メモをめくって事件が起きた時間帯を確認する。大体18時前後の夕方に起きてるみたいだ。その日から僕の張り込み捜査が始まった。
仲間たちとの遊びを早めに切り上げて17時前あたりから件の原っぱを死角から監視する。ドラマの刑事みたいですごい楽しい! うん、楽しいんだけど…
「ミカン…こねえなあ…」
そう、いくら待っても初日にはミカンは現れなかった。結局その日は夜まで張り込みしてて家に帰って母ちゃんにめっちゃ絞られた。
次の日も、その次も…全然ミカンは来なかった。もう夏休みが終わっちゃうよ! そう嘆いていた時だった。
視界の端から茶髪のボブカットが現れる。瞬間、遅くまでの捜査の連続で眠たい目が一気に覚めた。
「っ! …やっときやがった!!」
そそくさと原っぱの奥の方へむかうミカン。いったい何をする気なんだ? 特になんか持ってたりはしてないみたいだけど…そう思ってたらきょろきょろとあたりを見回しながらミカンは尻を突き出して……
「…ん」
ぶふううううううぅぅぅぅ………
おならをし始めた。…ん!? おならをし始めた!? いったいどうなってる。まさか草が枯れる原因って…
「っ! くっさぁあああああ!?!?!?」
こんなに離れてるのに鼻に飛び込んできたのはどぶ川を煮詰めたみたいな吐き気のする香りだった。いや、香りというには公害すぎる。思わず叫んでしまった。
「へっ!? だ、だれかい、い、い、いるの……?」
ミカンは声がする方に振り向いたが僕は死角にいるので見えないはずだ。でも僕はミカンの方に行かないといけない。あいつを問い詰めるために。
「おい! 僕だよ!!」
「…あなたか。見てたの?」
こいつ! 僕だと思ったら大人ぶりやがって…徹底的に追い込むからな!
「最近なんか事件が起こってるらしいな?」
「っ! え、ええ……そうみたいね?」ピクッ
「僕最近それ調べててさぁーそしたらその事件って全部お前の家の周りで起こってるんだよ」
「……何が言いたいの?」
「お前犯人だろ?」
「はぁ…妄想もたいがいにしなさい」
呆れたといわんばかりの視線でこちらを見つめてくる。余裕ぶりやがって……絶対に化けの皮を剥いでやる。
「さっきお前おならしてたよな?」
「…そうよ、悪い? ちょっとお腹が張っちゃって…それだけよ」
「嘘つけ! そんなレベルじゃなかったぞ! 植物を枯らさんばかりの臭さだった!!」
「~! だから何よっ! 今までの事件は私のおならが原因ってわけ?」
ミカンは冷静さを失っていく。顔は真っ赤だし肩が少し震えてる。もう少しだ!
「そうだよ! だってそれくらいできるだろ? 『スカンクミーちゃん』だもんな」
「違うっ! 違う違う違う違う!! おならのせいじゃない!」
「いーや、お前のスカンクガスが犯人だね! このスカンク女」
「ちがぁああああああああああう!!!」
ミカンが今まで聞いたことのないくらいの大声で叫んだ。すると力みすぎたのかそれは鳴り響いた。
ぶぼぼぼぼぼふっっっ!!!
ガスの塊を連続で吐き出したような音が聞こえたと思ったらさっきとは比べ物にならないほどの臭気が周囲に立ち込める。
「ぐぉおおおっ! くっせぇ!」
思わず僕は10歩は身を引いた。それがミカンには余計堪えたらしい。
「フーっ! フーっ! 臭くないもん!」ジワッ
目に涙を浮かべて過呼吸になりながら尻をこちらに突き出している。次に何が起こるかを察するまで脳が壊れたのか数秒かかった。そして察したころには遅かった。
「……! おい…や……」
ブビィイイイイイイイイイイイイ!!!!!
よく考えたら1メートルは離れてるはずなのに風圧はここまで届いてきた。髪がフワッと浮き上がり顔に風が当たる。
「おげぇえええええええええっ! おま…これ……ごげっ!?」
ブタの鳴き声みたいなおならはこの前職業体験で行った養豚場みたいな臭いがした。目が痛い。吐きそう。
「はー…はー……んっ…そうよ。今までの事件の犯人は私よ!」
一回おならをして落ち着いたのか急に白状をし始めた。僕は正直そんなの聞いてる余裕は無かったので新鮮な空気をもとめてなるべくミカンから離れて呼吸してた。
「私…おならがすっごい臭くて……しかもいっぱい出るし…それはあなたも知ってるでしょう?」
それは忘れるはずがない。「スカンクミーちゃん」の由来だ。僕はあの時からこいつが…
「学校にいる時はこっそり裏庭のその向こうの方の枯れ井戸のとこでガス抜きしてて…休みの時はあなたと会った山の奥の方で済ませてたんだけど……今年はあなたたちが虫取りに来るから…」
知ったことか。だからってどこそこで屁を垂れ流すなよ。妙に冷静になったのか頭で変なツッコミを挟んでしまう。
「もうそろそろ場所も無くなってきたって思ってんだけど…もう心配はいらなさそうね」
えっ?
「お、おいそれってどういう…?」
「よいしょ」グイッ
「うわぷっ!?」
衰弱した身体をぐいっと引っ張られ面白いように僕はミカンの尻に敷かれた。残り香がえげつない。ゴミ袋に顔突っ込んでるみたいだ。
「おえっ!? ごひゅっ」
「もぉ、失礼ね…ん」
むっず~~~…~~……~~~~~♡
「がっ……ぐ……ごえっ…!」モガモガ
挨拶代わりといわんばかりの熱いすかしを放ってきた。尻で口をふさがれてるので叫ぶこともできず身体がかってに震えだす。
「ぴくぴくしてる♪ …あなた、散々私を馬鹿にしてくれたよね?」
「………」
「『スカンクミーちゃん』だの何だの…そんなにスカンクみたいになって欲しい?」
「ん~! ん~っっっ!」ブンブン
いやだいやだいやだ。お願いやめて。
「ちょ…あんまりぐりぐりされると……でるぅ………」
「っ!?!?!?」
ぶじゅるるるるるぶほぉおおおおおおおっっっ♡♡
「~~~…~~~~~……~~っっっ!?!?」
臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い臭い。
「ふぅ…♡ 今のはあなたのせいだからね? あなたが動くからちょっと奥の方の奴が出ちゃったじゃない」
「ふへぇ…は…まだぁ…!?」
「そうよ? まだお腹の中でいっぱいガスがたまってるんだから。ほら…」
ごぎゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅりゅいいいいい………
ミカンがお腹を僕の耳に当ててくると、そこからは地響きのような汚いうめき声が聞こえてきた。こいつの腹は腐ってるのか?
「きったねえ音……っ!」
「へぇ? 生意気言う体力はまだあるのね。 じゃあこれはどうかしら」ズシッ
ミカンは年の割にはデカい尻を鼻に押し付けて腰を回してぐりぐりと押し付けてきた。これは…本格的に息が出来ない………!?
「どうかしら…どれだけ息を止めれるか見ものね?」ギュッ
そう言うとミカンは馬鹿にしたようなニヤニヤ顔で数を数え始めた。
「いーちーにーいーさーんー…」
「むぐぃ…」
「よーんごーおー…」
わざとのんびりとした言い方で時間を刻んでいく。苦しい。くるしいくるしいくるしいくるしいたすけてたすけてたすけて……
「………さーんじゅ! はい! どうかなー?」
「がっ…! はひゅ…はひゅっ!?」
30まで来たところで尻が浮いた。酸素酸素酸素空気が欲しい。
「新鮮なガスをどうぞ♡」
ブッフゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ♡♡♡
「jfはうgcvばsでゅおふぁhd!?!?」
やだやだやだ吸いたくないすいたくない! あぁでもガスはむりやり喉に押し込んでくる。 やだきもいくさいあついきもいいやだめだめあぁああああああああああ!
「こひゅっ…ごふっ……あがぼぼぼぼ」
「なんか変なこと言ってる…ほら、しっかりしなさい」
ぼふっ!
「っ! げほっ!? はっ……」
おならで失った正気がおならで戻ってきた。そっか。そういえば今ミカンのおなら嗅いでるんだっけ。
「気を取り戻したところ悪いんだけど…また気を失ってもらうね」
「は……?」
「ん…と」ヒョイ
一度ミカンが僕の顔の上から離れたかと思うと手を尻にあてた。そして…
ふしゅむぅううううううう~…~~~~……~~~
廃棄物を濃縮したようなガスを手にため込んだ。ミカンの小さな手が凶器と化す。
「さあ…ほら………ね?」
手をこっちに向けてくる。
「やぁあ……こっちくるなぁ…」
「うんうん…おやすみ♡」
最後に覚えてたのは生暖かい手の感触だけだった。
………
……
…
ぶぅうう♡
最悪の目覚ましだった。
「っ!?!?!?!?!?」ガバッ
「あ、起きた……元気?」
「はふ? ほへほ……っ!」
「寝ぼけてるね。可愛い」
「お前…よくも……うっ! 臭ぁ…」
「あら、まだ嗅ぎたい? …ってさっきの1発でノックアウトか」
くすくすと笑う顔が悪魔みたいに見えた。「スカンクミーちゃん」か…こんなにピッタリなあだ名だったなんて…おならを恥ずかしがるあの時のミカンの顔がフラッシュバックする。あの顔が気になってからかい続けて……こんなことになるとは思わなかった。
「ねえ? 分かってるよね? 今回のこと話したら…」
「は、話すわけないだろぉ!?」
「そうだよね♪ それでそれで…これから毎日家に来て?」
「あ…えと……マジ?」
「嫌なの?」
「嫌じゃないです」
「よろしい♡ お腹にたまった澱んだやつ毎日全部嗅がせるからね」
「……はい」
これから僕は一生ミカンのおなら奴隷なのだろうか……。