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とまチャンちゃん
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現在書いている小説の進捗報告

先日あらすじと設定を投稿した「新米メイドは『御不浄係』~1日目~」の進捗報告を行います!

あらすじには出ていなかったメイド長の「伊東チヨ」さんという方が出てきています(話の流れ上出さないわけにはいかなかった……笑)

とりあえず導入位までのところは書けましたのでお読みください~

以下本文


「えーっとぉ……ここで大丈夫かな」


銀髪の少女は立ち止まった。目の前にはいかにもその裕福さを誇示するかのような大きなおおきな鉄の門があってその先にはひたすら緑の庭園しか見えなかった。ここあたりの土地は全てこの建物のために使われているので周りには他の建築物はない。暴力的ともいえる富の力に少女は息を呑む。


「わぁ……ここが…」


つかの間思考が止まってしまうが意識を取り戻して門の横に合ったインターホンを押した。ピンポーンと聞き覚えのある音がしてそこは普通なのかと少女は拍子抜けした。スマホでSNSをチェックし終わらないくらいの沈黙の後にきっぱりとした声が聞こえてきた。


「はい。どのようなご用件で?」


「あ、あのっ!あたし…あの…メイド……」


「……ああ。新人の方ですね?少しその場で待っていてください。」


そう言うとその声は聞こえなくなった。ジト目の少女は不安で周りのいたるところに視線を移したが、何も情報は頭に入って来なかった。


うるさい沈黙に耐え切れそうにも無くなったころにやっと門の奥の景色に変化が訪れた。黒いリムジンが庭園を区切る道を走ってきた。門の直前まで来ると待っていたとばかりに門がひとりでに開いた。驚いた少女は1メートルほどとびのいてしまった。


車の後部座席のドアが開き、誰かが下りて来た。クラシカルなメイド服に身を包んで、まとめ上げた真直ぐな金色の髪の毛をキャップでさらにまとめた彼女は威厳たっぷりに少女の方に近づいてきた。


「あなたがメイド希望の新人の方ですか?」


「ふ、ふぁい!?」


緊張で少女は素っ頓狂な返事をしてしまう。目の前の女性はその返事を聞いて顔色替えず言葉を続ける。


「そうですか。それではお屋敷の方へ行きますよ。車に乗りなさい」


そう簡潔に言うとその女性は踵を返してリムジンの後部座席の空いた扉の横に立った。


「…っわ、分かりました!」


数秒経ってやっと状況を理解した少女は慌てて車両の奥の方の席に座る。続いて丁寧な振る舞いで女性が座り扉を閉めた。


「運転手さん。それではよろしくお願いします」


「了解したしました」


そんな会話が終わると車はゆっくりと動き始めた。屋敷までの距離は相当あるらしく5分程経ってもそれっぽい塊が見えてきたくらいだ。


沈黙がつらい少女は両手の平を膝の上にぴったりとくっつけたままひたすらにうつむいた。すると隣に座る女性の方から声をかけてきた。


「…すこしいいかしら」


「は、はい」


急に声をかけられて少女の体は蹴り上げられたサンドバックのように跳ね上がった。その様子に驚いた女性が少し微笑みながら話し始める。


「そんなに緊張しないで大丈夫ですよ。ただ…あなたのことを教えてほしいだけです」


「私のこと…?」


「ええ。実は私、あなたの名前も知らないの。ご主人様がメイドの人事は管理しているから。今日からメイドの一員として働いてもらうのですからそれくらいは知っておかないといけないでしょう?」


少女を落ち着かせるような優しい口調で聞いてくる彼女にすこし緊張が解けた少女は口を開いた。


「私…兎槻(うつき)まいって言います。その……このお屋敷にメイドとして働きに来ました。」


「兎槻さんね。教えてくれてありがとうございます。メイドとして働くは初めて?」


「はい…でも私、誰かにお世話…じゃなくてご奉仕するのは大好きです」


「そう、それはいいことね。私はここのメイド長をしている伊東チヨと申します。チヨさんで構わないですよ。」


「はひっ…!よろしくお願いします!ち…チヨさん……」


「兎槻さん、今日からよろしくお願いしますね」


そうこう話しているうちに屋敷についた。建物は典型的な西洋風のお屋敷といった感じで左右対称なレンガ造りの家だった。メイド長に引率されて兎槻はその建物の一室へと案内された。


「今日からここがあなたの部屋です。早速お仕事があるのですぐにクローゼットにある制服を着てメインホールまで来るように」


「わぁ…こんな広いお部屋いいの……あっ、分かりました!」


4畳程度の部屋でしかなかったが自分の部屋というものがなかった兎槻にとってはそれでも十分すぎるほどだった。兎槻の返事が聞こえるか聞こえないかのタイミングでさっさと部屋から出ていってしまったメイド長を追いかけるために彼女はクローゼットを開けた。


「わわっ…これが私の制服なの?」


そこにあったのはミニスカのメイド服だった。しかも胸元が大きく開いている。想定していたよりも大胆な服装に少女は少し逡巡してしまった。


「…ううん、でも早く着替えなくちゃ」


そう思いなおすと兎槻はそのメイド服に着替えた。スタイルは良くないが出るとこは出ている体型をしているので胸元がこぼれそうなほどパンパンになってしまっている。


「んぅ…ちょっとお腹周りもきつい……」


オーダーメイドではないのでウエストも少しキツめであったがどうしようもないのでその恰好のまま中央のホールへと向かった。


そこにはメイド長と他数人の兎槻と同じ格好をしたメイドと思わしき人たちがいた。


「ああ兎槻さん、やっと来ましたね。ほら、私の隣に来なさい」


そう言って手招きするメイド長に従い少女は隣で起立した。周りからの視線が少し痛くて少女はうつむいてしまった。


「それでは兎槻さん、改めて自己紹介をこれから働く同僚のみんなにお願いします」


そう催促され、兎槻は口を開いた。


「わた、私は兎槻まいって言います…。本日から新人メイドとして働きますっ!田舎者の世間知らずですけど……よろしくお願いしましゅ!」


緊張で上手く口が回らなかったが何とか自己紹介を終えると同僚たちから拍手を受けた。それでなんとか落ち着きを取り度した兎槻がまた口を開いた。


「ところで…私の仕事って……?」


「…ああ、そう言えばまだ教えていませんでしたね。兎槻さん、あなたにはお嬢様の『御不浄係』をやっていただきます」


「ご…ごふじょ……へ…?」


メイド長が「御不浄係」と口に出した瞬間、メイドたちがざわざわと騒ぎ始めた。「そうか…そういえば」となにか納得する者もいれば「かわいそうに…」と同情する者もいた。どうやら良い役職ではないことは明らかだ。少女は質問した。


「すみません、それってどんな役目ですか…?」


「簡単に言うと、お嬢様がしてしまう不浄なものの処理を行う係のことです」


「(……トイレのお世話ってことかな…?)あ、あの───」


さらに詳しいことを聞こうとする彼女を遮るようにメイド長が胸元から懐中時計を取り出して時間を確認した。


「あら、もうご主人様たちのお昼食の時間ではないですか。皆さん、お仕事に戻りますよ」


そういうとメイドたちは蜘蛛の子を散らすようにあちらこちらに向かっていき普段の業務へと戻っていった。メイド長と兎槻だけがその場に残った。


「あ、あのチヨさん…」


「兎槻さん。あなたには早速『御不浄係』の仕事をしてもらいます。こちらに来なさい」


「は、はいっ!?」


質問する暇もなく少女はメイド長が向かう方へついていった。メインホールを奥に出て階段を上ってすぐの部屋に入ると、そこには真っ白なテーブルクロスを敷いた大きなテーブルとそれを囲むように装飾された豪華なイスが並べられていた。どうやら食事を行う部屋であるらしい。


兎槻が部屋に入ると間もなく他のメイドたちも入ってきた。コンテナのようなもので料理を載せた皿を運んでそれぞれの席に料理を置いて昼食の準備を行っている。自分も手伝おうかと少女が動こうとするとメイド長に止められた。


「兎槻さん。あなたは給仕係ではないでしょう」


「あ…分かりました……」


あくまで自分に与えられた役割に徹しろということであった。しかし兎槻は自分の役目が何なのかまだピンと来ていないため何か催しているかのようにそわそわしてしまう。



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