現在書いている小説”新米メイドは「御不浄係」”の進捗報告その2です!
前回公開したところの続きからですので合わせてお読みください~
それでは、以下本文です
食事の用意が済んだタイミングでもう一度部屋の扉が開いた。すると豊かなひげを蓄えてシックなスーツを身にまとった壮年の男性とお姫様のようフリフリのドレスを身にまとった黒髪の幼い女の子が入ってきた。男性の立ち振る舞いからしてメイドたちを使役している「ご主人様」であることは明白である。
「む、君が新しいメイドかね…『御不浄係』の?」
席に着こうとした男性が見ない顔だという様子で兎槻に問いかけて来た。
「ははは、はいっ!わ私は兎槻まいと申し上げまする……申しましゅっ!!」
急に話しかけられた新米メイドはしどろもどろで受け答えた。隣で見ているメイド長はやれやれといった様子で注意しようとしたが男がそれを止めた。
「いや、大丈夫だ。まだ新人だししょうがないだろう。私はこの屋敷の主人です。兎槻さん、それでは今日から頼むよ」
「し、承知いたしました!」
なんとかまともに返事をする兎槻をみて彼はうなずき、そして席に座った。いつの間にか女の子も席についている。
昼食が始まった。ご主人の食べているものはどうやらコース料理らしく給仕係のメイドは男が料理を食べ終わったタイミングで次の料理を出している。女の子が食べているのはよくあるお子様ランチをできるだけ豪華にしたようなものだ。
その様子を見ながら兎槻はなぜ自分がここに連れられてきたかを考えていた。「お嬢様」はあの女の子だろう。それなら彼女のトイレの世話をする自分はなぜここにいなければならないのだろう?昼食の後すぐトイレに向かうのだろうか?いやそれとも…
そんなことを考えているとその女の子が口を開いた。
「ねえ、おとうさま。わたしちょっと……」モジモジ
白く澄んだ頬をほのかに赤く染まらせながらお尻を小刻みに動かし、上目遣いでご主人を見て恥ずかしそうにしている。
「……チヨさん、兎槻さんを」
ご主人は彼女の言葉を聞いてそう言った。するとメイド長が兎槻にお嬢様の方へ向かうように手でジェスチャーをした。
「さあ、役目を果たすのですよ」
そう言葉を付け加えると突然のことで言葉も出ない新米メイドの背中をすこし押した。
困惑した兎槻は呆然としながらもなんとかテーブルをはさんで向こう側に座っているお嬢様のもとに向かった。何をすればよいのか分からず彼女の隣で立ちすくんでいるとその食事中の小さな女の子はこちらをのぞき込んできた。
「ねえ、こちらにお顔を近づけてくださる?」
歳に似合わない上品な口調でそう言ってきたので兎槻は女の子の視線に合うよう自らの顔を近づけた。すると彼女はそうじゃないと言いたげに顔を横に振った。
「そうではなくて…こちらと言っているのです」
よく見ると女の子は片尻をあげる体勢になっていて、そのフォークを持っていない方の手は自らの尻を指差していた。ぎょっとした兎槻は思わずうろたえてしまう。
「こ、ここにですか!?」
「ええそうよ。早く」
きっぱりと言われた兎槻はそれでも迷っていたがここでぐずぐずしていてはやっと手に入ったメイドの仕事がおじゃんになってしまうと思い覚悟を決めてお嬢様のお尻をのぞきこんだ。
「もっと近くに」
そう命令されて接近する。お嬢様のドレスからはハーブの良い匂いがした。
「もっと」
「えっ!でもこれ以上は…その……」
「いいから!」
強めの語調で命令された兎槻はどうにでもなれという気持ちでめいいっぱい顔を近づけた。完全に顔とお尻がくっついていて鼻がお尻の谷間の部分にすっぽり埋もれてしまっていた。
「そうそれでいいです。それではいきますよ……ん…」
そう言うとお嬢様はいきみ始めた。一瞬の沈黙が起こりそれまで急展開に頭がついていっていなかった兎槻がやっと思考をし始める。
(え?え!?なにこれなにこれ!?私お嬢様のお尻に顔を埋めちゃっているしそれに「いきますよ」って……もしかして…「御不浄係」って………)
「ふぁの、おじょうさふぁ…」モゴモゴ
口をスカートにくっつけた状態でもごもご喋る兎槻だったがもう遅かった。
「……んぅっ」
ぶぶぅうううううううううううううううううっ……むっすぅ~~~…~~………~~~~……しゅかぁ~~~~……
「~~~ぅんっ!?………!がふっ!!」
可憐な見た目からは想像できない澱んだガスが兎槻の鼻に直で流れ込んできた。腐敗した卵を蒸らしたような臭いに悶絶する兎槻。あまりの臭いに全身から汗が噴き出した。その反応がお嬢様の反感を買った。
「ちょっと、ちゃんと吸い込んでください。臭いがこちらまで漏れてきていますよ」
その強烈な腐敗臭はお嬢様の肛門と兎槻の鼻の間の隙間から少し漏れ出ただけであるにも関わらずその部屋全体を支配していた。その場にいる全ての人が顔をしかめた。
「ほらちゃんと嗅いで。ほら」グリグリ
臭いを擦り付けるようにドレス越しにお尻の穴を鼻に擦りつけてくるお嬢様。兎槻はなんとか正気を保ちながらふがふが鼻をならして濁った空気を吸い込んだ。
「ふうぅ……はへぇ………」
なんとか臭いがしなくなるまで嗅いだ兎槻は口をだらしなく開けてよだれを垂らし、目は涙目になっていた。
「そうそう、それでいいの。…あっ、またでる」グイッ
「ふぇっ」
お嬢様が兎槻の顔を尻で塞いだ。肛門の位置はちょうど空きっぱなしにしていた口に重なった。
ぶりっ!ぶびゅっ!!ばすっ!ぷ…ぷすっ……ボシュゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ………
「あっ…あぁっ……ぐっ…ふがっ」
おならだけではなく実も出てしまったのではないかというほどの汚い音の屁が兎槻の口内を満たした。あまりの勢いに口が膨らみハムスターのような間抜けな顔を晒してしまう。臭いも尋常じゃなく排泄物そのものの臭いに兎槻はそのまま嘔吐してしまいたかったがなんとかそのガスを胃に流し込んだ。
「あぐ…うぅ……うくっ………!」
「よく呑み込みましたね。ありがとうございます。もう出なさそうなので下がっていいですよ」
にこやかな笑顔でそう言われ兎槻は顔が汗やら涙やら唾液やらでびしょびしょになり、しかも口から排泄物と腐った卵の臭いがこびりついた状態でメイド長のもとへ戻った。
ほどなくして昼食は終わり、初めての仕事を終えた新米メイドは一度自分の部屋に戻って臭いの染み付いたメイド服を着替えることをメイド長から命令されるのであった。
それから十分後、クローゼットにある替えに着替えた兎槻は自室の流しでえずいていた。
「うえっ!がふっ!………うぅ…『御不浄係』がこんな役割だなんてぇ…おえぇっ」
お嬢様のおならの臭いをその身で消しとるという過酷極まりない役職、それが「御不浄係」だったのだ。その臭いが軽いものであればまだ楽であったのだがスカンク顔負けの悪臭を直接かぎ取らなければならないのだからどうしようもない。
「うっ……でも私がみんなを養わないと……」
「兎槻さん、着替えは済みましたか?」
突然ガチャリと部屋のドアが開き、メイド長が入ってきた。流しに頭を突っ伏していた兎槻は飛び上がるように姿勢を正す。
「は、はいっ!」
「そうですか。では次の仕事があるのでついてきてください」
「……はい」
「次の仕事」と聞いて表情が曇る兎槻。その様子を見かねてか移動中にメイド長が話しかけてきた。
「…メイドが嫌になりましたか?」
「正直…少し」
「まあ無理もないことです。今までこの役職を続けられた者は一人もいません。大抵1週間もたたずに全員やめていってしまいます」
「それで求人があんなに……私もそうなると思います」
「それでもかまいませんが…養わなくてはいけない人がいるのでしょう?」
「っ!」
「無理にとはいいません。頑張れるかどうかはあなた次第です」
「…………はいっ」
「それでは今からあなたにやってもらう仕事を教えます───
………
……
…
兎槻は屋敷近くの繁華街に出ていた。隣にはお嬢様とそのお世話をするメイド数人がいる。お嬢様は繁華街の雑多な街並みに眼を輝かせている。
曰くこれはお嬢様が毎週楽しみにしている「お散歩」だそうなのだ。普段上品で清廉な生活をしているお嬢様からすれば、一般大衆の暮らしぶりはさぞ刺激的で面白いものだろう。
そして、そんなお散歩中でも出るものは出てしまうわけで……それの処理を行うのが今回の兎槻の役目であった。