マミは力なくベッドに腰かけ、今自分の身に起きたことを必死に理解しようとしている。先ほどまで着ていたシャツは体が大きくなったことで着れなくなり、床に脱ぎ捨てた。今は全身を覆う体毛、頭上に生えた角、視界に入り込む鼻先、巨大に成長した胸と腹。そして立派な尻尾と誰もが一度は見たことのある、突起がついたピンクの腫物。すべてが確認できる。
「ウシの...怪物になっちゃった...」
現実を受け入れようとすればするほど、現実ではありえないような言葉が思い浮かんでくる。
「あの牛乳を飲んだから?」
キッチンに置いた牛乳瓶を見つめる。牛乳を飲んだ人間が牛の怪物に変身する。そんな話は当然聞いたこともない。
「どうしたらいいの...?」
自分の体が、自分のものではないように感じる。少し体を動かすだけで、ベッドはミシリと小さな悲鳴をあげる。
体のあちこちを触り、それらが本当に自身の体の一部であることを確認すると、いよいよ自分の身に起きたことを受け入れなくてはいけない。俯く目線の先で、時々ゆらりと動く尻尾の先を軽くつかむ。
「んっ...」
伝わる刺激は、間違いなく自分の一部に触れたときのものだ。そうしてまだ触っていない箇所は、ずっと見て見ぬふりをしていたお腹の下のピンクの腫物を残すのみとなった。
「なんで?おっぱいは人間のがあるのに...」
人間と牛、両方の乳房を持つマミの姿は、より一層異形としての姿を際立たせている。そんな恐怖ともうひとつ、マミには牛の乳房を触ることをためらう理由があった。
「これって、絶対あれだよね...」
乳房の中で、何かがどんどん精製されているのを感じているのだ。
時間が経つほど乳房はパンパンに張り、乳首はツンと硬くなっていく。このあと自分は何をするべきか、マミは理解していた。だがその行為が、牛人間としての自分を完全に受け入れてしまう気がして、乳首へ伸びる手を何度も止めては戻すことを繰り返している。
「ふっ... ふっ... モォ...」
我慢すればするほど、頭の中は乳房のことでいっぱいになる。早く出してしまいたい。出せば楽になれる。マミは葛藤のあまり、自分の口から牛の呻き声が漏れていることに気づいていない。
「だ...め... 出したら...モゥ... でも 出したい...」
指先は乳首にあとちょっとで触れるところまで来ている。触れていなくても、すでに乳房は限界を迎えており、乳首の先からはじんわりと白い液体が粒のように漏れ始めていた。
「触っちゃだめ... 出しちゃだめ...」
体はグツグツと煮えるように熱くなり、人間の頃より温度調整が難しくなったマミはベロンと舌を垂らした。
「出したい... でも ダメ... 出したら...もう...あれ?」
「どうして出しちゃだめなんだっけ?」
一瞬の気の迷いが生んだ隙を、ケモノの本能は見逃さなかった。理性で抑え込んでいた搾乳したいという衝動は解き放たれ、硬くなった牛の乳首をマミは力強く握ってしまった。全身を貫くような強烈な快感。ぶるんと揺れる人間の乳房。そして牛の乳首からは勢いよく母乳が噴き出た。
「ンモオオオオオォォォォォッッ!!!!!」
恍惚の表情を浮かべ、たまらずあげた声は、閑静な住宅街に響き渡るほど大きい牛の鳴き声。理性のタガが外れたマミは、バシャバシャと音を立てて床にまき散る母乳など気にすることもなく。ただ一心不乱に目の前の快感をむさぼり続ける。握られた牛の乳首の下には、すでに大きな母乳の水たまりができていた。