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Jin(鬼頭ジン)
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【クリスマス小説企画】クリスマスプレゼント

 12月、日本も今やクリスマスシーズンの真っ只中であった。 「ねー冬菜、クリスマスの予定もう決めた?」 「私さ……春樹くんに告ろうと思うんだよね」 「えーとうとう? あたし応援するよ! 頑張ってね冬菜!」  とある高校の教室。そこでは二人の女子が話をしていた。  三田聖美と甲斐冬菜の二人はごく普通に暮らしていた女子高生で、中学からの親友同士だった。  冬菜には最上春樹というクラスメイトがいた。彼女は春樹と仲は良かったものの、好きという感情までは彼に打ち明けることができず、ずっと心にしまい込んでいたままだった。  聖美もそんな彼女の気持ちは理解していたし、冬菜の恋を応援しようと陰ながらアドバイスを続けていた。  そんな冬菜がとうとう勇気を出して告白しようとしている。聖美はそれがたまらなく嬉しかった。  12月24日の日曜日に、イルミネーションの前で、春樹君に告白。最高のシチュエーションでの一世一代の人生の選択。冬菜は本気でそう思っていた。当然親友である聖美はそれは同じだった。 「よし、あたしも見守ってあげる! もし成功したら夜2人でお祝いのクリスマスパーティーしよ! 25日は春樹君と、24日はあたしたちのパーティー!」 「聖美……ありがとうね。私頑張るから」  二人はがっちりと手を組み合う。冬菜と春樹のこれからの未来を成功させるため、そして、二人の友情のパーティーを成功させるために。  そして日は流れ、とうとう23日の夜となっていた―― 「って感じで行こうと思ってるんだけど……」 「じゃあそうしましょう。それじゃ冬菜、健闘を祈ってるから」 「うっ……うん。じゃ、また明後日ね」  冬菜との通話を終えた聖美は、夕飯を食べに1階へと降りる。当事者でもないのに、聖美の心はドキドキと高鳴っていた。冬菜はきっと春樹とはうまくいく。学校でも仲は悪くないしきっと大丈夫。そう自分に言い聞かせた。  そんな聖美の前に弟の清一が話しかけてきた。 「お姉ちゃん、サンタさんにプレゼント頼んだ?」 「清一ったら、サンタさんは子供にしかプレゼントはあげないの。高校生のあたしはもうオトナ。サンタさんなんて来ないわよ」 「そうなんだ。でね、お姉ちゃん、明日のパーティーがね……」  そういえばそうだった。と弟の言葉ではっとなった。  三田家では毎年家族でクリスマスパーティーをやっていたのだ。しかし明日は冬菜の様子を見届けるという用事があり、さらに冬菜とのクリスマスパーティーの約束までしてしまっている。  親は友達とパーティーをすると言えば許可は貰えるだろう。今年くらいならいいか。弟には我慢してもらおう。聖美はそう思った。 「ごめん清一、あたし明日友達とパーティーやるんだ。だから今日はちょっと帰れないかも」 「えー! 僕やだよ! 断れないの?」 「ごめんね、この埋め合わせはちゃんとするから」 「やだ! お姉ちゃんと一緒にパーティーするんだ!」  清一は涙を浮かべ頑なに言うことを聞こうとはしない。それだけ聖美のことが好きなのだろうが、彼女にとってはそれがただのわがままに見えてしまった。 「いい加減にしなさい! 悪い子にはサンタさん来ないよ!」 「お姉ちゃんが勝手に約束しちゃうからでしょ! 僕知らなかったもん! 僕みんなでパーティーやりたいんだ!」  怒り出した聖美に刺激されたのか清一も声を荒げはじめる。聖美は明日のことで頭がいっぱいだったのもあってかつい怒鳴ってしまっていた。 「ああもう! そんなに誰かとパーティーしたいならサンタさんにでも頼めばいいじゃない! 来年ならいくらでもしてあげるから今年は我慢してよ!」 「っ!」 「あ……」  普段温厚な聖美が怒ったからなのか清一はびくりと反応して黙ってしまう。うつむく清一の目には涙が浮かんでおり、そこで聖美はやりすぎたと反省した。 「ご、ごめんね急に怒ったりして……でも、お姉ちゃんにも大事な用事があるの。本当にごめんね、清一」  その後の夕飯やテレビでも清一は暗い顔で俯いたままだった。  聖美は清一の機嫌が治らないことに後味が悪くなり、それでも明日のための準備をはじめなきゃと自分の部屋に向かう。そんな聖美に母親が話しかけてきた。 「聖美、清一がなんか落ち込んでたみたいだけどあんた喧嘩でもした?」 「お母さん……」 「清一に聞いたらお姉ちゃんがとかパーティーがとか言ってたけど……」 「ごめん、明日あたし友達とクリスマスパーティーするつもりで、家でパーティーできないんだ。それを清一に言ったら喧嘩になっちゃって」 「聖美ももうそんな歳なのね。私達は構わないけど、その様子だと清一結構食い下がったんじゃないかしら」 「うん……それでつい怒鳴っちゃって……明日清一に謝らなきゃ」 「うーん、清一には私からも言っておくわ。でも、怒ったことはちゃんと謝らないと駄目よ」 「わかってる……おやすみなさい」 「おやすみ、聖美」  母はそれだけ言うと寝室へ向かっていった。自分ももう寝ようと聖美は部屋へ向かう。 「着替えとかは明日にしよう……なんか疲れちゃった」  聖美はベッドに向かうとそのままどっと倒れるように眠りについた。きっと明日は楽しみで眠れないんじゃないか、昨日まではそう思っていたがその考えと反してあっさりと彼女は眠りに落ちていた。  窓にはちらちらと白い雪が見えていた。  ――聖美が眠ってからいくつ時間が経っただろうか。  ベッドの上ですやすやと眠っている聖美の体に、異変が起きていた。  ビクン! と突然身体が跳ねる。その瞬間、小刻みに震えると、なんと聖美の身体は全体的に大きくなりはじめていた!  小柄だった身体はムクムクと膨れあがり身長は2m近くと女性にあるまじき大きさにまで伸び上がっていた。  変化はそれだけではなかった。身体のあちこちにムッチリとした脂肪がつきはじめたのだ。  腕は盛り上がり手はふっくらとした大きなものに、脚は太くなるのに反比例して長さを短くしていく。スリムだった腰や腹回りには脂肪がブクブクと増えはじめ変化が終わる頃には弾力のある太鼓腹がブルリと震えていた。 「うっ、ううう……」  妙な感覚に無意識的に声を上げる聖美。しかしその声も喉に膨らみができはじめる頃には低くしわがれたものへと変化していった。  上に沿って顔にも変化は訪れる。顎に脂肪が乗ってふくよかなものになる。さらに女性にも関わらず真っ白でふわふわとした毛が聖美の口元を覆いはじめる。逆にサラサラの黒髪はパラパラと抜け始めつるりとした禿頭になってしまった。  白い毛は顔だけでなく体にまで余すことなく生えはじめ、いつしか白い毛で覆われた肥満体へと聖美の身体は変化していた。  パンティの中では愛液を垂れ流していた秘所から女性とは異なる物が誕生しようとしていた。陰核が血管を張り巡らせながら膨張していき、陰茎のような形へと立派に成長を遂げた。いや、これはまさしく陰茎そのものだった。 「んんんんぅ!」  こうして聖美の変化は終わった。ただの老人のような姿になった聖美野太い声を上げるとそのままいびきをかいて深い眠りに落ちていた……  その変化は聖美だけではなかった……  同じく明日に想いを馳せ眠っていた甲斐冬菜の身体にも同じ変化が起きていたのだった……  こちらは聖美よりさらに大きく頑強な肉体に変わりつつあった。脂肪が体じゅうを覆った聖美とは対照的にゴリゴリとした筋肉が冬菜の体に付いていく。  コンプレックスであった胸の豊満な膨らみはそのたわわな脂肪を保ったまま大胸筋へと変貌していく。その手の人間が見れば惚れ惚れしてしまうような胸へと冬菜は一瞬で変化した。  その筋肉はボコボコと移動して、腕、腹、脚とその支配を侵食させていった。なだらかな腹部はいくつもの腹筋の山に彩られていた。 「ん……んああっ!」  喘ぎ声のような声をあげる冬菜だったがその声はすでに雄々しい男の声となっていた。そんな冬菜の全身に栗色の毛が生えていく。腹部や手先など一部の毛はクリーム色で、まるでその色合いはモンブラン、またはブッシュ・ド・ノエルのようだった。   「あっ、あああっ、おおおぉ!」  顔にまで毛が覆われた頃、冬菜の顔面が無慈悲に変わりはじめる。口周りは前に突き出し獣のものへと変化していく。告白のためにセットした髪や整えていた眉は全て抜け落ちその上にもふさふさとした毛が被さった。  耳は上へ移動し二つのかわいらしい耳がぴょこんと生える。  頭上には体毛と同時に琥珀色の突起がちょんと生えていたのだが、その突起はぐんぐんと大きく伸びはじめ――いつしか立派な角へと変化していた。  激しすぎる肉体の変化に耐えきれずベッドが破壊。冬菜は床に投げ出されるが彼女はそれに気がつく素振りすら見せず、ただ大いびきをかいて眠りこけていた。  こうして二人が壮絶な変身を遂げた夜も終わりを告げ、24日、クリスマスイヴの朝となっていた。     ◆ 「はっ!」  あたしは体を冷やす寒さで目が覚めた。外は雪がしんしんと積もりはじめていた。ホワイトクリスマスだ。  二階に降りると両親も清一もいない。親はパーティーの買い出し。清一は……友達と遊びに行ったのかな? まだ仲直りしてないんだけど……  ふと時計を見ると朝の8時。まだ余裕はあるけど先に行った方がいいのかな?  とりあえずあたしは家にあったパンとコーヒーで朝食を済ませ、部屋に置いていた赤い服を着てブーツを履き家を出る。  冬菜は春樹君といつ会うつもりなんだろう? 冬菜は10時くらいって言ってたけど、春樹君がいつ来るかはわからない。  とりあえずみんなで遊ぶという体であたしと冬菜が合流、春樹君と3人で時間を潰して、丁度いい時間になったらあたしは先に帰る。そのあと、夜に繁華街のイルミネーションの前で冬菜が春樹君に告白。という計画だ。  あたしはそのために春樹君に冬菜のいいところをいっぱい教えてあげなくちゃ。春樹君が冬菜を一緒にいて良い子だと思ってもらえれば、多分大丈夫。 「この辺かな……ってあっ!」  待ち合わせ場所には春樹君がいた。でも冬菜はまだ来ていない。しまったなぁ。できればしれっと二人で集合して春樹君を待ちたかったんだけど。  仕方ない。あたしが先に春樹君と合流して冬菜ないいところをたくさん教え――ってあっ、冬菜だ。  春樹君を見て少し動揺しちゃったみたいだけどすぐに覚悟を決めて春樹君のところへ向かっている。よし、あたしもすぐに二人と合流して―― 「ごめん春樹君、待った?」 「あ……」  あれ? 春樹君の様子がおかしい。立ち止まって少し震えているみたいだ。なんか怖がってる、みたいな? 「? どうしたの。春樹君?」 「…………よ」 「よ?」 「寄るな! このバケモノ!」 「っ!?」 「うわあああああっ! 殺される!」 「春樹……君……?」  春樹君はそう怒鳴るなり一目散に逃げていった……それにしても、バケモノってなによ……何でそんなこと言うわけ? 春樹君ってそんなひどいことを言う人だったの? 「酷い……なんで、私……」  冬菜は崩れ落ちて泣きじゃくり始めた。そりゃそうだ。大好きな人にあんなことを言われたんだから。あたしはすぐに泣いている冬菜に駆け寄った。 「冬菜!」 「あ……」 「大丈夫? それにしても春樹ったら酷いよ……冬菜にあんなこと言うなんて……」 「……聖美……?」 「振るにしてもバケモノなんて言い方しなくてもいいのに……少し角が生えてて、毛むくじゃらで、筋肉マッチョなだけ……なのに……」 「あんた、聖美なの……?」 「冬菜、なんでそんな体になってんの!?」  そこまで話して、冬菜の姿を至近距離で確認して、聖美はようやく気がついた。何故か、そこで泣いているトナカイの姿をした人間を冬菜と認識していたことに。  そして、自分の姿が赤い服を着た老人になっていることにも。 「冬菜、トナカイみたいになってる……だから春樹君は逃げ出したんだ……  いや待って!? なんであたしこの冬菜をいつもの冬菜だと思ってたわけ!?」 「私も分からない……さっきまで私は普通の女の子だと思ってて……サンタの姿をした聖美に会うまではこんな体になってるなんてわからなかったのよ……」 「えっ、サンタ?」  ふと自分の体を確認する。ふわふわとした赤い服を纏った太っちょの老人。確かに本によく描かれているサンタクロースそのものに見える。サンタクロースとトナカイ。まるで自分達だけが絵本の中の登場人物になってしまったかのような錯覚に陥った。 「おっ、なんだアレ」 「クリスマスのバイトか何かか?」 「いや、このクオリティだと最早コスプレか本物じゃね?」  いつのまにか見知らぬ人が集まって、自分達を不思議な目で見始めていた。 「と、とにかく一旦どこかへ避難しよう!」  こんな姿でいるうえ二人で抱き合っているのが何か恥ずかしくなり二人はそそくさとその場を逃げるように離れた。  しばらく走ったあと二人は公園の公衆トイレへと逃げるように篭っていた。 「この時間、あまり人来ないからしばらくは大丈夫……だと思う……」 「どうしよう……もし元に戻れなかったら……」 「そもそもあたし達、何でサンタとトナカイなんかに……クリスマスだからってこんな姿にしなくてもいいのに……」 「しかもこれ、男の体だよね……なんかお股に変な感覚があるし……」  そう言われて聖美もズボンの中に手を入れて確認する。ちゃんと真ん中にイチモツらしきものが確認できた。聖美はその事実に気を失いそうになった。  その下にある柔らかな袋を触るとピリッと奇妙な感覚が聖美を襲った。どうやら種を作る袋もちゃんと股間にあるらしい。 「うっ確かに……」 「しかも私何も着てない……何で出かける時気がつかなかったんだろ……」 「あたしもこれがいつもの服だと思って自然に着替えてた気がする……起きた時間違いなくパジャマ着てたし」  ふと鏡で自分達の姿を再び確認してみる。自分は絵に描いたようなサンタクロースに、冬菜は首に鈴のみを身につけた筋骨隆々のトナカイ男になっていた。  服を着ている自分はともかく、何も身につけず立派な筋肉を晒している冬菜を見ているとこっぱずかしいというか、何か奇妙な感情が聖美の頭の中に駆け巡った。 「とりあえず冬菜は何か服を……冬菜?」  ふと冬菜を見ると正座した状態で俯いている。しかしその様子はどこかおかしいものがあった。ハァハァと息を荒げ小刻みに震えている。蹄の生えた手は立派にそびえ立つ胸板を撫でている。 「冬菜? なんか様子おかしいけど……」 「き、聖美……私……なんかムラムラする」 「ええっ!?」 「お、お股がヘンなの……なにかが出ちゃいそうなの……」  そう言った冬菜は、なにも生えていない股間からピュルピュルと透明な汁を垂れ流し始める。呼吸はさらに激しくなり、ブモォと発情した獣のような奇妙な鳴き声をトイレに響かせる。 「どうしたの冬菜! しっかりして!」 「や、ヤメテ……触ら、ナイデ……デ、出チャウ……ブオォ!?」  冬菜の股間から、粘液を纏って真っ赤で太々しい肉棒が勢いよく飛び出した。それはまさしく冬菜の陰茎だった。陰茎が跳ねた瞬間粘液が飛び散って二人の顔にかかる。 「ひっ……これ、おちんちん?」 「あっ、あんっ、オッ、オオオッ!?」  冬菜は陰茎が空気にさらされる快感に喘いでいたが、いつしかその声が雄叫びへと変わっていく。そのまま震えながら膝で聖美の近くへと歩いてくる。 「ちょっ、え? 何!? やめて!」 「た、助けて……体が勝手に動いてるの……私にも、止められないの!」 「やっ、いやっ、いやああああっ!!」  聖美の服を掴んだ冬菜は本人の意思とは関係なく強引にズボンを引っぺがす。するとぷるんと皮の被った白色のペニスが飛び出した。 「ひっ!?」 「あっ、ああっ!!」  冬菜は反り立ったペニスを聖美の尻に近づける。尻の窪みにペニスがちょんと触れた時、冬菜の頭にとてつもない快感が駆け巡った。 「あっ!? やめて冬菜! そんなところに、そんなモノ……!」 「私じゃない……私、したくない……こんなこと、あっ!」  とうとう聖美のひくつくアナルに冬菜のペニスが到達する。普通はそんなものを入れる器官ではないのだが、聖美のアナルにその大きなモノはすんなりと入っていった。まるでいつもそういうことをしているかのように…… 「はああああっ! な、なにこれ! いやあっ! お尻の穴に入ってる! 冬菜のおちんちん!! やめて! 今すぐ抜いてよ!!」 「はあっ、はあっ! 違うの、私じゃオオオオオオォッ!」  口では違う違うと言いつつガツガツと腰を振る冬菜。その度にグッポ、グッポといやらしい音をたてる聖美のアナル。それと同時に聖美の頭の中にはとてつもない快感がドクンドクンと何度も走る。  聖美のペニスはその快感により勃起し、びきびきと血管を張り巡らせている。鈴口から透明な粘液をどくどくと垂れ流しながら聖美も同じく無意識に体を前後させる。  それをやれば気持ちいい。それをやっていればもっと気持ちよくなれる。そう思ったら止められなかった。 「聖美っ、聖美ぃっ!」 「ああ、きっ、気持ちいいっ! 気持ちよいぞヴィンテル! もっと、もっと突いてくれ!」  アナルを刺激され続けている聖美の口調がいつしか変わり始める。いつもの聖美の口調ではなくその姿に似合うような、老人のような口調になっていて、冬菜のこともヴィンテルという名だと思っているようだった。 「きっ、聖美っ、何その、ヴィンテルって誰っ、んあああっ!」 「知らないわよ! それよりもこれ……早くっ! じゃないと、あたし、おかしく……何じゃ、わしの頭の中に女子の魂が棲み着いておる……これが儂の邪魔をしておるのか?」  一瞬元の口調に戻った聖美だったが、再び老人の口調へと変わってしまう。いや、口調だけでなく人格ですらその姿に相応しいものに引っ張られているのだろうか。まるで別人のような語り口で独り言を呟いている聖美。  そんな聖美にただただ困惑するも快感のまま腰を振ることしかできない冬菜。もし冬菜が奇跡的に理性を振り絞り性行為を止めることができたなら、こんなことにはならなかったのだろうか。 「そのまま突いておれヴィンテル。お前も“溜まって”おろう。とりあえずこの体は儂のものなのだから、この魂も使わせて――  いやっ、やめて! これはあたしの体……あたしの体返し――  ミタキヨミ、ジョシコウセイ。なんじゃこれは? こんなもの、いらんのう……――  やめて! あたしの記憶取らないで! 何これ? これ、あたしの体なのに……やめてよ、あたしまだ清一と仲直りしてないのに!」  その後も聖美は一人で会話を続けていた。それによるとどうやらサンタクロースの姿に見合った魂が聖美の体に生まれていて、その魂が聖美本人の魂を追い出そうとしているのだろう。  聖美は自分の魂がどうして追い出されるのかは分からなかったが、本能的に「射精したら自分が自分で無くなる」と確信していた。だからおそらく魂を追い出す方法も射精と関係している。聖美はそう考えていた。だからこそ射精することだけは避けたかった。 「まあ、一度射精すればすっきりするだろうて。ヴィンテル、そろそろ頼むぞ――  いやいやいや! やめて冬菜! 射精したくない! あたしを捨てないで冬菜!」 「フーッ、フーッ……」  しかし冬菜は快感のなすがまま腰を振るだけ。聖美の声には反応しているようだったが止められないらしく息を吐き涎を垂らすだけだった。 「ン゛オ゛ッ」  いつしか、地響きのような低い声がトイレに響く。その瞬間、聖美は温かくてドロっとしたものが自分の腸の中に侵入していくのを感じた。 「冬菜……ウソでしょ……ウソだよね……?」 「ハァ……ハアァ……気持ちよかった……ごめん、聖、美……  ……あぁ……次は……あなたも気持ちよくさせてあげる、からな……マスター」  収まり切らなかったのか聖美のアナルからはドロドロとした精液が溢れ出る。それは黄ばんでいて強烈な臭いを発する。まるで何年も出さずに溜め込んでいたかのように濃厚だった。  とうとう冬菜の口調もその姿に引っ張られて変わってしまっていた。その口ぶりから精神もサンタクロースの部下の、トナカイそのものになってしまったようだった。 「冬菜、そんな――ヴィンテルは先に不要な魂を捨てたようじゃな。そろそろ儂もこの頭の異物を捨てたい。よい子に贈り物を届けるためじゃ、なるべく頼むぞ」 「了解だぜ、マスター」  冬菜は先程出したのにも関わらず、再び腰を振り始めた。しかも今回は快感を貪るための本能的なものではない。理性に基づいて快感を得るための明確な性行為を行っていた。  冬菜――もといトナカイのヴィンテルはサンタクロースの最も善がることのできる“突きかた“を熟知している。いつもやっているように、アナルの奥のスポットを突くように、狙いすまして腰を振る! 「やめてぇっ! 冬菜ぁっ! お母さん、お父さん、清一っ、ふおおおぉおおぉっ!」  とうとう聖美は絶頂に達し、2、3倍にまで膨れ上がったペニスから大量の精子を吐き出した。家族や友達を思っていた頭の中は雪のように真っ白な快感にかき消され、ドロドロに溶けていった…… 「ふぅ……ようやく頭もすっきりしたわい。それにしても久々にこういうことをやったぞ。立場上性行為は控えておるが、たまにやると……なんじゃ、たまらんわい」 「お気に召されたようで何よりだ。じゃあ、オレたちは夜に備えて子供がどんな物を欲しがっているのか、今日中に見ておかなきゃな」 「そうじゃな。まあその前に汚してしまったこのトイレを掃除しなくてはならんがな。サンタクロースともあろうものがトイレザーメンだらけにしたままにするなど許されないからな」 「了解した、マスター」  サンタクロースとヴィンテルは、かつて聖美と冬菜だった残滓を跡形もなく片付けると、トイレの前には大きな橇が置いてあった。それは間違いなく二人が乗っていた橇であった。  サンタクロースが橇に乗り込み、ヴィンテルは橇に積んであったハーネスを装備し橇を引くと橇は光を纏い冬の空へ舞い上がり、いつしかその影は見えなくなった……    ◆  12月24日の夜。  子供たちがみな寝静まる頃、サンタクロースはプレゼントを配るため日本全国を回る。  サンタクロースは人々の概念により生まれた存在である。人々がサンタクロースの存在を信じていればいるほど、その存在は人知れず顕現しその使命を果たす。  かつて普通の少女だった二人の人間はその概念となりこれから毎年日本のクリスマスに子供をプレゼントを届けるだけの存在と化したのだ。  そして三田聖美と甲斐冬菜の存在はもう人々の記憶からは存在しないことになっていた。概念に置き換わった元の存在が残っている場合、世界に異常な不具合が発生する恐れがある以上、それは避けられないことなのだ。二人としては望まれない変化となってしまったが。 「次はこの家か……」 「10歳の男子、三田清一だな。三田清一のプレゼントはと……」  サンタクロースは壁をすり抜けて三田清一の部屋に入る。ふと近くを見ると三田清一が寝息をたてて眠っていた。どうやら泣いていたらしく瞼を赤く腫らしている。 「何があったのかはわからぬが、このプレゼントで笑顔になってくれるとよいのう……」  サンタクロースはプレゼントの箱を三田清一の枕元に置くと、外へ出る――はずだった。しかし、それはしなかった。  何故なら、サンタクロースの目に一冊のノートがあったからだ。普通は人間に関わるものには一切干渉してはならぬのだが、サンタクロースは自然とそれを手に取っていた。 「これは……」  それは、三田清一の日記だった。  そこには、こう書いてあった。  12月23日 金ようび  ぼくはお姉ちゃんが大好きです。  だからお姉ちゃんとクリスマスパーティーをしたかったですが、お姉ちゃんは友だちとパーティーをやるからとパーティーをしませんでした。  どうしてもお姉ちゃんとパーティーをしたいとゆったら、お姉ちゃんに、そんなにしたいならサンタさんにおねがいすればいいじゃないと、おこられました。  もしお姉ちゃんがサンタさんなら、みんなでパーティーできるのにな  その日記を見た途端、サンタクロースの目からは一筋涙がこぼれた。理由は分からなかったが、子供の健気さに心打たれたのだろうとサンタクロースは思った。  何故自分がそう思ったのかは分からない。でもそれはなぜか悪くないものだと思えた。しかし、サンタクロースは子供みんなにプレゼントを届ける存在。この家に長居する意味はない。そう思い、日記を元の場所に戻して家を後にした。 「そろそろだなマスター、いいクリスマスになるといいよな。みんなが笑顔になれるような……そんなクリスマスに」 「ああ、そうじゃな……」  ――メリー・クリスマス!  クリスマスイヴの夜空にふたつの声が静かに響いていた…… END


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