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Jin(鬼頭ジン)
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悪魔の適性 第二話

第二話はスペシャルプラン加入で閲覧可能となります  悪魔の適性 第二話 「パパ、おはよう……」 「な、なんで……俺はっ……」  精液塗れの寝室で、明正は自責の念に苛まれていた。  眠っている無抵抗な息子の陰茎を、自らの私怨のために扱いて射精させた――その事実に明正は消えてしまいたいほどの悔恨を感じていた。 「なにこれ、この白いの……ヘンな臭いだし……」 「これは……」  『性欲の成れの果てであり、自分達の人間だった頃の姿が封じられていたモノ』――そんなこと口が裂けても言えない。明正はそう思った。 「すまん茂久……俺たちは、一生このままみたいだ……」  愛する息子に向かってその宣告を口にするのは、明正にとっては拷問に近しいものだった。だが、自らが犯した過ちは自らで償わなければならないと、必死に逃げ出したい気持ちを抑えながら明正は茂久にその事実を告げた。 「どうして……? 僕たち一生このままなの……?」  困惑と悲哀の表情を浮かべながら問いかける茂久。その様子に堪えきれなかった明正は、子供のように泣きじゃくりはじめた。息子の困惑する表情を目にしても嗚咽と謝罪をやめなかった。 「ごめん……っ! 俺が悪いんだ、俺のせいだ!」  体に精液が付着するのも躊躇わずに茂久の巨躯に必死にしがみつきながら、明正は何度も泣き叫んだ。息子のイカ臭い腹筋に顔を埋めて謝罪と言い訳を述べ続けても、明正の心は晴れなかった。それどころか、精液の臭いに呼応して悪魔の肉体が反応してしまったのだ。 「っ!?」  明正は、出すだけ出して萎えてしまったはずの陰茎にふたたび熱が帯びるのを感じた。密林のような陰毛に絡み付く精液。石膏像の如く立派に鍛えられた肉体、息子だったはずのそれに、明正の悪魔としての本能が、肉体が、反応したのだ。 「う、嘘だろっ!? 俺……茂久の、息子の体に興奮して……いや、これは、契約の続きか!?」  興奮を抑え込みながら、明正は本に記された文を脳内で反芻していた。『一、射精による魂の破棄。二度目の射精で、悪魔の器である人間の魂は排出され、記憶・意志・精神などと云った要素が全て悪魔のものへと置き換わるであろう』。つまりは、明正の興奮がトリガーとなり、悪魔の器である自分自身の魂を肉体から排除する儀式が今開始されたのである。その事実に明正は愕然とした。このままじゃ―― 「――あ、悪魔になっちまう! 完全に悪魔に変わってしまう! そ、それだけは!」  縮こまりながら目を瞑って、どうにか性的興奮を止めようと明正は足掻く。しかし、頭の中に蓄えた様々な性知識が走馬灯のように巡ってきて彼の鎮静を妨害してくる。セックスの記憶、アダルト雑誌の記憶、フェチズムの記憶、そんな記憶ばかりが明正の脳内を支配して悪魔の肉体を射精へと誘おうとしている。そんな拷問のような時間は普通の人間ならば数分足らずで狂ってしまうだろう。  しかし彼は狂わなかった。いや、狂うことさえできなかったのだ。魂を手放せば息子がどうなるか分からなかったから。悪魔と化した自分が茂久を魔に堕としてしまうかもしれない。そんな最悪の"もしも"はもうごめんだ。明正は、そんな矜恃だけを魂に刻んで悪魔の誘いに必死に争っていた。 「パパのせいじゃないよ! パパは泣かなくていいんだよ!  僕があんな本持ってこなければ、白いの出すの我慢してれば、こんなことには……」  息子の言葉も、自分の腕より大きくなった陰茎の疼きを堪えるのに必死で明正には疎らしか届かない。しかもそんな茂久の言葉が彼にとっては追い討ちにしかなっていなかった。  頭の中に悪魔的な性的欲求がいつまでも鳴り響いている。そんな時間に堪えきれなかった明正は、逃避を選ぶことにした。 「……すまん。俺はしばらく寝る。茂久も、射精だけは絶対にするなよ。それだけは、やめてくれよ……」  明正はそう言うと小さな体をよろめかせて自分の部屋へと逃げるように向かう。今はただ眠りたい。夢の中でこの嫌な世界を忘れたい。愛する息子をも放棄して彼は契約の時をやり過ごそうとする。  しかし、悪魔はそんな逃避を許してはくれなかった。 「ん……うぅ……っ」  幕田明正は、夢の中で目を覚ました。股座に氷のような冷たさと、燃え盛るような快楽の熱を感じながら。  どうやら夢の中でも陰茎は元気に屹立しているようで、しかもその陰茎は何者かによって犯されているようなのだ。その世界での明正は現実世界での出来事を忘れているらしかった。何故こんなことが起きているのかわからない。しかしここが夢の中なのは理解できる。そして、よく分からないけれどこの中で射精してはいけないということも。  だから彼は"それ"に抗おうとした。しかし―― 「やっ……やめ…………!?」  そこには小さな悪魔がちょこんと座っていた。自らのアナルを明正のそそり起つ陰茎に詰め込んで、ニタニタと卑しい笑いを浮かべている。  夢の中での幕田明正は人間の時の姿を保っていた。その「人間の明正」がたった今動けぬまま悪魔に犯されているのだ。そしてその悪魔は、今明正の肉体となっている小悪魔の姿にそっくり――いや、そのものだった。夢の中での明正には全く認識できなかったが。 「気持ちいいだろ。悪魔の快楽は」 「悪魔の……快楽……」  その悪魔は容姿に違わぬ幼く掠れた高い声で明正に呼び掛ける。ケタケタ笑いながら腰をゆっくりと動かして、明正の快楽を増幅させる。 「うっ、やめろ……イ、イッちまう……」  悪魔の秘部の肉は、明正の陰茎を柔らかく包み込み、刺激する。その度に明正の全身を大きな射精感が電撃の如く駆け巡る。しかし射精だけはしてはいけないと、"別の場所"で自分のようで自分ではない何かが警告している。 「イッちまえよ、全部出しちまえ。  そしたら嫌なこと何もかも忘れてこの快楽が一生お前のモノになるぜ?」  そう言いながら悪魔は明正の陰茎を蹂躙し続ける。小さな体を必死に動かしながら極上の快楽を提供する。人間としての魂を吐き出させ破棄させるために、この肉体を完全に我が物にするために。  陰茎をこねくり回され脳の全てが快楽の虜になった時、明正はその股座の熱を解放した。魂を排出し、その身を悪魔に捧げた――かに見えた。 『――パパ』 「ん? どうした、射精したいんだろ? 存分にさせて……」 (――いやだ) 「あ?」  明正の中で聞こえた幼い声。それは、自分を待つ愛する息子――茂久の声。そうだ。俺は、こんなところで、悪魔の快楽になんてかまけていられない。明正は何故だかは分からないけれど、確かにそう思った。 「断る! 俺には茂久がいるんだ! お前の好きになんてさせてたまるかよ、この変態悪魔が!」  明正は、打ち克った。  淫夢に、悪魔の罠に。 「俺は、悪魔にはならない!」 「っ!」  ――明正は夜の寝室で目を覚ました。夢の中で、内なる悪魔に魂を奪われかけていたのだ。もしあの中で悪魔の誘惑に負け射精を行っていれば現実でも射精は行われ、彼の魂は完全に消失していただろう。明正はその危機を乗り越えたのだ。 「はぁ……あの夢、妙なリアリティだったが……あの時イッてたら、俺は」  そこまで考えて明正は最悪の事態を想像して震えた。しかし、息子の声が自分を救ってくれた。息子は――茂久は、自分にとってのかけがえのない存在だ。明正は心の中でそう確信した。 「……まだ起きてたのか、茂久」 「うん……まだ眠くなくて」  明正が扉を開けると明かりの点いた居間に茂久が座っていた。その姿は矢張り2メートルもある魔人の姿のままだった。そして明正はこの状況が夢ではないと改めて認識した。  しかし、明正はもう戸惑いも迷いもしなかった。陰茎は未だに怒張を続けているが、快楽にはもう惑わされない。  何故なら、茂久が隣に居てくれるから。 「……茂久」 「なあに?」 「――茂久は、俺の事どう思ってる」  神妙な面持ちで明正は茂久に問いかける。それは明正の素直な気持ちであり、茂久に対して一番確かめたいことでもあった。もし茂久が、自分の事を一生大切にしてくれるならば、もう迷う事はない。悪魔の契約に抗い、息子と永遠に添い遂げてみせる。そんな覚悟が今の明正にはあった。  そんな明正の問いに、茂久の出した答え。それは―― 「パパは、僕の大切なパパだよ。ママの代わりにずっと僕を大切にしてくれた、大好きなパパだ! 僕はパパがどんな姿になったとしても、絶対にパパを見捨てたりなんかしない! 僕はパパの息子、まくたしげひさだ!」  茂久も同じだった。悪魔と化した明正を父親として大切にする。一生添い遂げても構わない。そんな覚悟を子供ながらに覚悟していたのだ。その言葉を聞いた明正の目には、一筋の涙が溢れていた。 「ありがとう――それだけで、俺は充分だ」  明正は、その小さな身体で茂久に抱き付いた。いくら自分が小さくなっても、いくら息子が大きくなっても、自分は父親であり茂久は息子。それは変わるはずがないんだと明正は何度もそうひとり呟いた。 「パパ?」 「ごめん。でも今は――こうさせてくれ。……茂久」 「……うん」  明正に呼応し、茂久も明正の体を抱き寄せ、親子で二人抱き合う。血の気を感じさせない悪魔の肉体でも、その身体には温もりが感じられた。 「……パパ、どうしたの?」  自分を抱く息子の腕を振り解き、そのまま茂久の体をよじ登りはじめる明正。二倍ほどの体格差がありながらも、しなやかな悪魔の体を駆使して必死に茂久の顔に近づく。 「ごめん。一度だけでいい。お前の顔をよく見せてくれ。お前の可愛い顔を、俺に……」  筋肉に覆われた悪魔の山を必死に登る。その山頂には、きっと愛すべき茂久の顔があるから――それを原動力にして、明正は必死にしがみ付く。 「例えどんな姿になってもっ……お前は俺の……」  愛する息子の顔を確認するため、明正が小さな体を茂久の胸部の辺りに近づけたその瞬間、明正の股間が茂久の腹筋の間を掠めた。  バキバキに鍛えられた凹凸のある大悪魔の腹筋は、小悪魔の陰茎を刺激し彼の脳に強烈な快楽を与えた。それは、ただそれだけの出来事である。だが、これが彼にとって最大の不幸となってしまった。 「うっ、うぷるるるるるるるぅぅ……」  明正は、快感のあまり唇を震わせて情けない声を漏らす。そのままペニスがびくりと震えると――とうとう今までどんな誘惑があっても耐えていたはずだった射精をしてしまっていた。グロテスクな悪魔ペニスからは、その大きさに相応しい濃厚で強烈な臭いを発する精子が溢れ出ている。 「ぉおんっ、あぁ、ぷるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるぅ…………」  こうして、最期まで息子を思い続けていた父親の魂はあっけなく消失した。記憶や心が消えていくその瞬間まで明正は奇声をあげながらヘコヘコと腰を振ることしかできなかった。 「パパ……?」  茂久の腹には父の遺した大量の精液がこびりついている。快感により激しく息をすることしかできない明正に茂久は声をかける。明正はその声を聞くなり顔を上げるときょとんと首を傾げた。 「おじさん、誰? ぼくのこと知ってるの?」  明正はもはや茂久の知る幕田明正ではなかった。魂が消失し記憶も人格も全てがリセットされた無垢の状態へと回帰してしまったのだ。悪魔としての適性がFランクという最下級のものだったのも人格がリセットされた原因の一つだろう。低級悪魔には、自らの記憶を保存する知能すら持ち合わせていないのだから。 「おじさんも悪魔だよね。ぼくも悪魔だよ。ぼくたち仲間だねっ!」  ケタケタ笑いながら茂久に抱きつく"Fランク"。本能的に茂久を同胞と認識しているのか嫌に懐いている。しかし茂久にとってはそれは苦痛でしかなかった。 「違うよ。僕のパパはこんなんじゃない! 目を覚ましてよ! また僕のこと好きって言ってよ!」 「おじさん、何言ってるの? それより早く人間を堕とそう! 悪魔はそれが役目でしょ?」  Fランクは茂久の言葉など馬耳東風と云った様子でただ呑気に笑っている。もう茂久の言葉は彼には届くことはなかった。何故なら彼だったモノは、今は茂久の腹に付着してカピカピに乾いてしまったのだから。 「それにしても、おじさんのチンポ、おいしそうだねぇ」 「えっ?」  そう言われて、其処を茂久はふと確認する。まじまじと見つめるFランクの目の先には、その体格によく似合う巨根があった。それはまさしく茂久のモノである。 「ねえねえ、おじさん、すごく立派なカラダだよね! やっぱりセックスもいっぱいするんでしょ?」  キラキラと金色の目を輝かせて茂久の目を見つめるFランク。それは興味本位と性欲から来るもののはずであったが、それが茂久には何か違うものに感じられた。 (パパ、かわいい……)  茂久が無邪気に笑うFランクにそんな感情を抱いた時、茂久の陰茎が一気に陰茎が熱を帯びて怒張し、射精の準備をはじめた。そしてそれは、契約の最終準備でもあった。 「あっ……僕の、ちんちん……」 「あ、おじさんもしたいんだ。なら、ぼくが味見してあげる!  ……んむっ」 「あぁっ!?」  Fランクがその小さな口を使って茂久の陰茎を咥える。そしてそのまま飴でもしゃぶるかのように顔を前後して茂久に刺激と快感を与える。 「ああっ! な、何これ……あぁん!」  その快感は、子供の茂久にとっては初めての快感であった。しかし茂久の体は精通前に思春期をすっ飛ばして一気に成熟した悪魔の肉体へと成長を遂げてしまったため、大人としての快感はしっかり感じられるようになってしまったのだ。快感による肉体と精神の過度な乖離は、幼い茂久の感覚を破壊するのには充分だった。 「んむ……じゅるっ、んちゅっ」 「ああぁ、ああぁぁ……ふあぁ……っ」  弱々しい声をあげながら、なす術もなく口腔での愛撫を受け入れるしかない茂久。抵抗のつもりなのか秒刻みに体を揺らすものの、Fランクは微動だにせず代わりに重く垂れ下がっている茂久の陰嚢がゆさゆさと揺れるだけだった。そしてその陰嚢では、快楽に呼応してこぽこぽと真っ白な性の塊を生産し続けていた。  そして、尿道からはぬめぬめとした何かがせり上がっていくのを、茂久は感じていた。 「もしかしてこれって……やめて!」  茂久の声も虚しく、それは彼の陰茎から勢いよくぴゅるりと飛び出してFランクの顔を汚した。その勢いからそれは精子にも見えたが、透明でサラサラとした液体だった。それはカウパー腺液。俗に云う"我慢汁"やら"先走り"と呼ばれるものだったが、性知識が皆無である茂久には理解不能な代物であった。 「あれ? アレじゃない……」 「すごい……おじさんすごく興奮してるんだね! なら、次はぼくもきもちよくなりたいな!」  そう言うとFランクは自分の尻を突き出してきた。茂久にはこれが何を意味するかはまるっきり分からない。だが、本能的にこれを理解した。いや、してしまった。  『この中にちんちんを入れれば気持ちいい』と。 「ね。一緒にきもちよくなろうよ!」 「やだ、僕は……僕は悪魔になんて!」  口では抵抗の色を見せる茂久。しかし、体は快楽を求めて、Fランクの尻へとにじり寄る。張り詰めて破裂しそうなほど勃起した陰茎をそのシークレットゾーンへと挿入するために。 「嫌だ……嫌だ……ああっ!」  そしてとうとう彼の陰茎がそこへと挿し込まれた。カウパーのローションで覆われていたためか、そこへはすんなり挿入(はい)る事ができた。Fランクの尻穴は、そこにモノを挿れるのははじめてであるにも関わらず、何度も経験し拡張されたものと同様の尻穴であった。  茂久の陰茎が侵入した途端Fランクの中の肉は、ぐにゅりとそれを包み込み極上の刺激を与えた。それに伴い発生する快感は、茂久の幼い精神をそれ一発で完全に蹂躙した。 「ひゃぁあああああああぁっ……!」  脳内を駆け巡る桃色の電撃は、茂久の腰を砕けさせ、身体を床に跪かせる。片や彼の父親だったFランクの小悪魔は、巨大な陰茎を享受できた快感で顔を紅潮させていた。 「あっ、すごいっ! おじさん、ぼくのなかを突いて! ぼくもきもちよくして!」  茂久は、どうすれば気持ち良くなれるのか。それは悪魔の本能が教えてくれた。腰を振ればいい。腰を、体全体をピストンのように動かして、陰茎を相手の奥の奥まで蹂躙してしまえばいい。しかしその代償として、魂は悪魔の膣内へ解放される。それだけは絶対に嫌だった。  魂を失えば、自分の心に残る幕田明正の存在も消失してしまうから。 (いやだ……僕までパパのこと忘れちゃったら……パパは本当に消えちゃう……  僕が悪魔になってみたいなんて思わなかったらこんなことには、ならなかったかもしれないのに……)  そう。本を読んだ時、悪魔になることを望んだ者が存在していたのだ。  幕田茂久は、その本に記されていた悪魔の話は、理解までは及ばなかったものの、どこか憧れのようなものを抱いていた。もし悪魔になってパパと好きな事ができたら。学校でのいやなことも、片親というだけでクラスから距離を取られることもなく、自由に過ごせる。そうなればきっと楽しいだろうと、心の隅でほんの少しでも思ってしまった。  父を巻き込んで悪魔の契約を知らずに結んでしまい、結果父親は悪魔となっていなくなってしまった。だからこれは、自分のせいなのだ。そして今この状況は、たぶん、罰なのだろう。幼いながらに茂久はそう思っていた。  だからこそ、自分はこの罰を一生背負わなくてはならない。消えた父親を一生遺し続けていかなければならない。だから魂だけは、悪魔に受け渡したくはないと。茂久は願った。 「おじさん……イこう? 我慢することないんだよ。ぼくも一緒だからさ」  しかし、茂久のそんな残酷な願いを悪魔の契約は許してはくれなかった。小悪魔のその言葉を脳が認識した瞬間、茂久の腰が無意識に動きはじめた。ガツガツと飢えた獣のように腰を振り、快楽を、絶頂を追い求める。もう茂久に逃げ道などなかったのだ。 「あぁ! やば……きもち、気持ちいいいぃ!」 (いやだ! やめて、僕は気持ちよくなんかなりたくない!) 「出したい! あっ、はっ、はぁ! 僕のっ、ちんちん、ふっ、爆発しそう! ふっ、あぁ!」 (なんで言うこと聞いてくれないの、僕の体なのに、僕のじゃないみたいな……やだぁ! 助けてパパ!) 「悪魔、僕っ、悪魔になる! パパの中に、全部出して! 僕も、悪魔にっ!」 (やめて! 悪魔になんかなりたくないよぉ! パパ、ママ……ごめんなさい、僕は、悪魔になっちゃうよぉ! みんなみんな、忘れちゃう!)  最早、言葉も精神と乖離し、茂久の本来の感情とはどこか遠い彼方へと飛んでいってしまっていた。  そして、茂久の陰茎が小悪魔の尻穴の最奥部を突いた時、茂久の陰茎が、陰嚢が、悪魔誕生の祝杯をあげるために、白濁の花火を悪魔の中に打ち上げた。  ――数日後。  かつて親子がいたはずの家はいつの間にか全てが綺麗さっぱりと無くなっていて、ただの空き家となっていた。  幕田明正と幕田茂久の存在は悪魔となった時に消失してしまい、誰も彼らを覚えている人間はいなくなってしまった。転生の際に不都合な記憶は魔力により修正される。これは転生する人間には教えられないルールだった。  そして彼らがいた街のはるか上空には、二人の悪魔が快楽を貪っていた。片や筋骨隆々な大悪魔、片や可愛らしい小悪魔。彼らがお互いを犯し合い、淫乱な生活を送っている。 「おじさん、上手くなってきたね! ぼくもっと気持ちよくなりたっ、んっ!」 「小悪魔の分際で儂にそういう態度を取るか……まあよい。貴様のアナルは名器だ。儂を満足させ魔力を増幅させるのはやはり貴様だけだ。存分に可愛がってやろうではないか」  茂久だったAランク悪魔は、幼い子供だった頃の彼を思い出させないほどに尊大で威厳に満ち溢れた立ち振る舞いを見せていた。悪魔として転生した瞬間に悪魔としての膨大な知識が流れ込み、その人格を形成してしまったのだ。  今や大きな魔力と莫大な知識を蓄えながらも快楽に溺れ、セックスだけはどんな悪魔にも負けない最下級悪魔とセックス漬けの毎日を送っている。当然、悪魔としての職務も忘れてはいないが専ら性行為がその時間を占めているのも事実だった。 「ああっ! だっ、だめえっ、ぼく、んっ、限界! ああんっ、もう……んっ、イッ、イッちゃう!」 「ああっ、何度でもっ……イけっ!  貴様は……んっ、一度イッただけではっ、びくとも、しないだろうっ。フウッ、可愛く鳴いて、儂をっ、オッ、悦しませろ!」 「おじさんっ、大好きっ! あっ、イ、イクッ!」  日本の空に悪魔の精が今日も飛ぶ。こうして、幼い子供のちょっとした願いは、歪んだ形で叶えられた。それでも彼らは、とても幸せそうだった。  ――今は空き家となった幕田家には、悪魔の本が未だに寝室だった場所に開かれていた。何もなくなった虚無の空間で、ただ黄ばんだ紙がぱさりと風に煽られて開かれるのだった。 『幕田明正 契約完了  幕田茂久 契約完了』


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