よい子のみんなはみちゃだめです!純愛です(多分)!純愛(多分)! [─30分前─] 差し出された濃い紫色の液体は、味も香りもさながら“ぶどうジュース”だった。 いきなり「はいどうぞ」なんて気持ち悪いくらい輝かしい笑顔で渡してくるものだから、もしかして毒かなにかでも盛られているのではないかと疑ってしまったが、お酒ですらなく、本当にふつうのぶどうジュースだった…かのように思えた。 「それは毒にも薬にもなるおもろい飲み物なんや。ほれ、試しにそこの冷えた麦茶飲んでみぃ」 アイツはそうあたしに言うと、柄にもなく悪趣味な笑を零した。 訝しい顔をしながらあたしは麦茶を一口含むと、口内から胃袋にかけて一瞬、衝撃が走った。 「つめたい!?」 冷たい、冷たいのだ。もちろん冷えているのだから冷たいのは当たり前なのだが、明らかにおかしい。まるで真冬の朝の空気を思いっきり口で吸い込んだかのようだった。 「…このぶどうジュースのせいなんか?」 「せや」 「これ、実際はなんなん?」 尋ねると、あいつはあっさり答えを吐いた。 「そりゃあ、“感度が上がるおくすり”ってやつや。ぶどう味にしてあるんだとよ。俺もはじめは信用ならんかったから試しに飲んでみたんやけど、したらちょいと爪を立てると腕が痛いし、絨毯に腿が擦れるだけで、冬の乾燥肌を擦るのに似たような感覚になるしで…。」 こりゃあホンモノだ!と興奮してしまった、らしい。 つまり、その感度が上がってしまう効果を利用して、単にあたしをちょっとビックリさせようと考えたのだろう。子供のイタズラのようで可愛らしいではないか。 ───いや、本当にそれだけなのか? 他になにか考えていることがあるのではないか?あたしを痛めつけてやろうとか、涙で顔がぐちゃぐちゃになるくらい虐げてやろうとか、そんなこと考えていたりしたら……? ううん、ないない。まさか、あたしの大好きなコイツがそんなことは…。 「さて、お前だけ飲むんじゃあフェアやないしな、俺も。」 アレコレ思案していたあたしのコップを手に取り、彼は紫色の“ソレ”を飲み干した。 「それじゃよろしく頼む。」 きょとんとするあたしの目を見つめながらそう言ったかと思うと、乱暴にあたしを担いで寝室まで早足に歩いていった。 その時の彼の表情は真顔で、いつもと変わらぬ風を装ってはいたが、隠しきれず僅かに溢れてしまった興奮が頬を色付けているようであった────。 ※三稜釜次郎の本分は絵描きですので、文章は雰囲気で適当に読んでくださいね!
三稜 釜次郎 Kamaziro-Mikuri
2023-11-16 16:41:02 +0000 UTCギャランVR-Ⅱ
2023-11-16 16:30:18 +0000 UTC三稜 釜次郎 Kamaziro-Mikuri
2023-10-25 07:22:59 +0000 UTCもる豆腐
2023-10-25 03:41:17 +0000 UTC