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茶柱たべたべ
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社が緑仙と仲良くなるだけ 下

 緑仙はベッドの側で、社の寝顔を見つめていた。  あともう少しすれば、彼が自分の家に泊まりに来る。自分の匂いが染み付いた部屋で呼吸をし、生活をする。  とても幸せな気持ちで胸が疼く。  コンドームを彼に送りつけて、本当に良かった。  緑仙は仄暗い笑みを浮かべ、そう思った。  社に惹かれ始めたのは、いつからだったか。  少なくとも、一目惚れではない。  むしろ、第一印象は悪かったように思う。  黒緑のエルフの隣にいる気怠げな男。  太陽のような女の隣にいる目の死んだ男。    日常の匂いを漂わせる男だった。  それまで緑仙が身を浸してきた日常。  担任が着るような、面白みのないワイシャツ。  体育教師が纏うような、可もなく不可もない筋肉。  生活指導担当やクラスメイトが生やしているような、清潔感だけの黒髪。  少年というだけで馬鹿にしてくる大人が宿すような、疲れた視線。  つまらない日常の要素を寄せ集めたような、地味な男。  それなのに、話してみると彼は案外気の合う奴で。  アニメも漫画もカードゲームも、熱っぽく語れてしまうような恥ずかしいオタクで。  そんな社だから、緑仙はいつの間にか心を許していたのだ。  馬鹿なことをしても、少し貶したり揶揄ったりしても、彼は笑って許してくれた。  たまにムキになったりもしたが、それもまた自分と対等に接してくれている気がして、愛おしかった。  ある日、ふと気付いた。  社の隣にいると、いつもより楽に息が出来ることに。  こういう存在を、友達というのだろう。  そう思った。  少なくとも、最初は。  気づけば、社と出会って一年が経っていた。  その頃になると、プライベートで会って遊ぶことも増えた。  休日になれば、彼と一緒にカラオケに行ったり、MTGをしたり、アニメ鑑賞したりできる。そう思うだけで、日々のつまらない学校生活を乗り越えることができた。    ああ、ライバーをやっていて良かった。    ファンから声援を貰う瞬間。  登録者数の伸びを通して自らの成長を実感する瞬間。  それらと同じくらい、社築と共に過ごす時間の中で、強くそう思った。  ライバーの世界に足を踏み入れなければ、社との出会いはなかっただろうから。  彼のいない生活など、想像しただけでゾッとする。きっと退屈で欠伸が止まらなくなるだろう。そんなことを思っていた。 「……我ながら、危機意識が足りなかったよ」  社を起こさないよう、小さな声でつぶやく。  実際は、欠伸なんて出なかった。  社が離れて胸に去来したのは、退屈などという生易しいものではなかったのだ。  社が冠番組を持った。題名は『ヤシロ&ササキのレバガチャダイパン』。司会は社築と──。  笹木咲。  文句はない。  別に、自分の方が社と面白おかしく掛け合いができるとは思わない。  今までの配信で見せた、彼と笹木との歯に衣着せないやり取りが視聴者に受けたからこその大抜擢だ。それについては、納得している。  笹木自身、悪い奴ではない。ひねくれてはいるが根は善人だし、他者が本気で傷つくことはやらない。もしかすると、彼女と親友になれた世界線もあったかもしれない。    笹木が社のプライベートを独占してさえいなければ。  レバガチャが始まって以降、社の付き合いが悪くなった。  緑仙がカラオケに誘っても、予定があると言って断るようになった。  社との時間がゴッソリ減っても、緑仙は退屈などしなかった。  それどころではなかった。  うまく、息が出来なくなった。  自分が、社に嫌われたのではないか。そんな不安が何度も頭をよぎった。  それでも、直接そんなことを尋ねれば、重いと思われるかもしれない。それは嫌だった。  だから、それとなく聞いた。なぜ、遊べないのか。  何度も何度も、遊べないたびに聞いた。  返ってくる答えは、いつも同じだった。 「その日は笹木とゲーム練習しなきゃなんだよ」  分かる。  きっと社は、「番組で笹木と息を合わせるためにも、練習あるのみ」だとか、そんな思いを抱えて彼女と過ごしているのだろう。  つまりは、今までの社畜生活の延長だ。プライベートを削り、仕事のパフォーマンスを上げる。彼にとって、笹木との触れ合いはそれだけの意味しか持たないはずだ。そうに決まっている。  だが、笹木は。  緑仙は知っている。笹木が社の家に遊びに行く前日は、終始上機嫌なことを。  彼と一緒にゲームをするためだけに、椎名をはじめ友人からの遊びの誘いを断っていることを。  社のマンションに行く日は、常に綺麗な下着を身につけていることすら、知っている。  許せないと思う。 (社は僕のものだ)  あの家は自分と社が一緒に遊ぶための場所だ。  邪な感情を抱いた人間が、踏み荒らしていい空間じゃないんだ。  ましてや、恋心など。 (僕の方が、ずっと前からコイツを想ってたのに)  緑仙は、子どもではない。  胸に抱える熱の塊が、友情ではないことぐらい、とっくの昔に気付いている。 (僕の方が、コイツのこと大好きなのに)  社と一緒にいたかった。  それなのに、笹木が邪魔をした。  あの女が、彼との間に割って入った。 (もしも僕が女の子だったら、笹木と恋のライバルになれたのかな)  社との距離が開く中、緑仙は頻繁にそんなことを思った。  しかし、現実は苦い。  初めから敗北が約束されているような戦いだった。  だから。  恐ろしいことをした。  社を想って吐き出した精子を、社に送りつけた。    バレなかった。  それはそうだろう。こんな女みたいな顔をした自分から、あんな泥みたいなザーメンが出るだなんて、誰だって想像できないはずだ。  矛盾していることは、自覚している。  女に嫉妬しておきながら、結局自分の男性機能頼りの策。    だけど、正常でいたところで、社と結ばれることはない。  そう思うと、狂うしかなかった。  それほどまでに、好きなのだ。  大人っぽいくせに、時おり少年のように稚気が混ざる低い声。  死んでいるくせに、とても穏やかに細まる黒い目。  柔らかそうな厚い唇。安心感のある大きな体。  オタク特有の早口も、たまに漏らすエッチな吐息も、はしゃいでる時の馬鹿笑いも。  全部、好きなのだ。 (社は僕と結ばれるべきなのに)  だけど、自分は。 (僕は男で、社も男で)  なのに、笹木は女で。 (ほんとに、ズルい)  社と打ち解けるのが早かったのは自分の方だ。  社と共有する趣味が多いのも自分。  社の家に泊まった回数が多いのも、お風呂を借りた回数が多いのも、寝顔を見た回数が多いのも、全て自分だ。 (あいつが女じゃなければ、絶対に僕が勝つのに)  とても、ズルい。  でも。  パジャマの上から、自分の体を触る。  白くて細く、緩やかな丸みを帯びた輪郭。  しなやかな筋肉を加味しても、同い年の少女より美しい自信があった。  しかし、股から伸びる存在感は、どうしようもなく雄だった。 「……ん」  社が寝返りを打った。  パジャマから胸元が覗く。少しだけ汗が滲み、光る肌。 「ふ……あ……」  やや厚い彼の唇から、声が漏れる。短くて小さな、吐息のような音。  少し、艶のある声。  瞬間、緑仙の脳味噌に映像が溢れる。  社の色気が、連鎖的に引きずり出す記憶。  オナティッシュが含んだ自分の精子が、彼の指を汚したあの淫らな光景。  瞬間、緑仙の陰茎が、痛いほどに膨らんだ。  パジャマのズボン越しにもクッキリと形が分かるほどに、勃起した巨大なペニス。  社の吐息に、精子の絡んだ指の記憶に、劣情を催したのだ。 「……最低だ、僕」  自嘲気味に笑う。  だが、こうなってしまうと出さない限り、一晩中治らないだろう。緑仙の陰茎は、持続力にも優れていた。  社にばれないよう、静かにズボンとパンツを脱ぐ。  瞬間、20センチを優に超える巨根が、ばね細工のように勢いよく反り返った。  睾丸も肥え太り、陰嚢はグレープフルーツよりも大きく張っている。鈴口からは常に精液の匂いが上っており、獣欲の滾りを滲ませる。  緑仙は自分の男根が嫌いだった。 (これのせいで、僕は社と結ばれることができない)  クリトリスと誤魔化すには、あまりにも大きな性器。女をよがらせて、屈服させて、孕ませるのに特化した形。 (僕がセックスしたいのは、社だけなのに)  自然と、掌がペニスに伸びる。  ぐちゅり、ぐちゅりといやらしい音が響く。  嗅いだだけで妊娠しそうなほど、濃ゆい種の香りがムワッと立ち上る。  ダラダラと、我慢汁が溢れる。 「やしろ、やしろ」  魘されるように、想い人の名を呼ぶ。  眠る社を見つめながら、彼の裸体を思い出す。  一度だけ、見たことがあった。社が風呂に入る時、息を殺して扉の隙間から覗いたのだ。  鍛えてはいるが、完全に絞り切ってはいない肉体。筋肉の上に、うっすらと脂肪の乗った百八十センチの裸。  その股から下がる陰茎は、平均サイズだった。  きっと、屹立しても自分の萎えた状態より小さいだろう。一目でそう感じて、自分のペニスの巨大さに嫌気が差したのを覚えている。 「やしろ、やしろ、やしろ」  擦る。トプトプと、ヨーグルトのように白濁した先走りが漏れ出す。  社はどんな風に女を抱くのだろう。  この男が童貞だということは知っている。  それでも、もしその時が来たら、彼の腕はどのように女体に絡み、唇はどのような言葉を囁くのだろう。    妄想する。  社に抱かれている自分を。  優しいキスを浴びて、フワフワと熱に冒されながら、彼のペニスに貫かれる自分を。  ああ、でも。 「邪魔だろうな、これ」  雄の気配をドクドク吐き出しながら、心臓のように脈打つ肉棒を見つめる。  これがある限り、きっと社は僕のことなんか愛してくれない。  脳味噌に不快な絶望が渦を巻く。  でも、だったら社は誰を抱くのか。  ピンクの髪が汗に濡れるのを想像した時、緑仙の中のドス黒い炎が温度を上げた。   「やしろ、やしろ」  醜い感情を快楽で塗りつぶすように、オナニーの手を早める。ドクンドクンと血液が海綿体に注がれ、睾丸から輸精管へと白濁液が送り込まれるのが分かる。    放精する前に、ティッシュを取らないといけない。発達した睾丸からもわかる通り、緑仙の精液は極めて濃い上に、多い。ゼリー状の種汁は紙コップ程度なら簡単に満たせる。そんな浅ましいものを、間違っても社の顔にかける訳にはいかない。  だけど。 「……緑、仙」 「……え?」  それは、寝言だったのだろう。きっと、自分とMTGでもやる夢を見ているのだろう。  だけど、それでも自分を呼ぶ声があまりにも優しくて。  まるで、睦み合う時のような声だったから。  緑仙の理性は、情欲で塗りつぶされていた。  細い脚を広げ、ガニ股になり、虚空に向けて獣のように腰を振っていた。指で作った輪に長い陰茎を潜らせ、深い腰のグラインドで何度も穿った。  自分がどんなに滑稽な動きをしているかなど、脳味噌から吹き飛んでいた。  本能のまま、現実の社を視姦しながら、空想の社を貪った。    雄の自慰だった。  雄の生殖本能に基づく、孕むためではない、孕ませるための自慰だった。 「やしろ、やしろぉ……。すき、だいすき。笹木より、僕を見て。僕と恋人になって。僕と、セックスして」  そして、いよいよ濃厚なザーメンが噴き出そうという時。  社の目が、薄く開いた。  時が凍りついたかと思った。  でも、手は止まらなかった。粘い水音を吐く陰茎の先から、ヨーグルトのような先走りが糸を引きながら垂れていた。  それを、社は見た。  その表情に、少しだけ。  少しだけ、恐怖が見えた。  その時、去来した感情はなんだろう。  罪悪感か。  絶望か。  無論、それもある。  だけど、一番濃かったのは。 (この男を、メチャクチャにしたい)  加虐的な陵辱願望が、  動揺が、  逡巡が、  一秒の中に凝り固まって。  尿道から、えぐい音を立てて噴き出した。 (あ、分かっちゃった)  今まで生きてきた中で、一番気持ちのいい射精だった。  人としての理性を、全て金玉に詰め込んで溶かしてひり出したような、品性の欠片もない絶頂。 (僕、社と結ばれたかったけど、女の子になりたかった訳じゃないんだ)  緑仙はその瞬間、獣になった。 (そっか。僕のチンポで、社を女の子にしちゃえば良いんだ。そうしたら笹木の短小クリトリスなんて、全然敵じゃなくなるじゃんか)  それも、獰猛な獣。  気に入った相手を組み伏せて、強制的につがいにしようとする、身勝手な雄。 (ヤっちゃお。誰が彼氏なのか、馬鹿で可愛い社に分からせちゃお。自分が誰のペニスの、金玉の、ザーメンのお嫁さんなのか忘れないよう、アナルのふっかいところに刻み込んじゃお)  雄としての欲望が、脳のリミッターを外した。普段では考えられない膂力が漲り、社を拘束した。  そして、彼の肛門へと指をねじ込んだのだった。 「ぐっ……ふっ……ふぅっ……!」 「社、もっと力抜いて」  緑仙が左手で頬を摩りながら、優しく言う。その指遣いはとても穏やかで、母が子を慈しむようだ。  そのくせ、右手の指は遠慮がない。社の菊門をこじ開けると、肉を掻き分けるようにして入り込んでくる。うねうねと複数の指が触手のように動き、秘部を揉み解していく。 「うーん、やっぱり慣れてないとキツイのかな。僕はこれでもイけたんだけど。どう、社? こことか気持ち良くない?」  指の腹が内部を擦る。かなり苦しい。子どもの頃、母親に解熱剤を浣腸されたことを思い出す。  痛みはない。糊のように濃厚な緑仙の精液を、ローション代わりに使っているからだ。時間と共に透き通っていく白濁が、指の滑りをよくしていく。  それでも異物感は誤魔化しきれない。痛みはないが、快楽もない。かなりの苦痛であった。  しかし、緑仙はそんな社の心が分からないらしく、無遠慮に尻の中で指を蠢かせる。やや焦っているらしかった。  何を焦っているのか。それは粥のような濃い我慢汁をトプトプ垂れ流す太い竿と、ナメクジのようにゆっくり蠕動する大きな玉袋を見れば分かった。  はやく、犯したいのだろう。  薄紫の瞳が、爛々と光る。 「りゅ、緑仙……」 「ん? なーに?」  苦しそうに喘ぐ社の、か細い声を聞き漏らさないよう、緑仙が顔を近づける。その間にも、彼の指が休まることはない。ぐちり、ぐちりと、社の菊穴を嬲る。  絶え間ない異物感に顔を歪めながら、呻く。 「や、やめてくれ。その……あまり、気持ち良くないんだ」 「あー、うん。まあ、最初はそうだよね。でも大丈夫。すぐによくなるよ」 「お、お前……人の話を……おォ!?♡」  刹那、陰茎の根元よりずっと深いところで、快楽が爆ぜた。  緑仙の指が、性感帯の塊のような何かを、コリコリと圧迫している。  その少女のような顔が、ニマッと笑う。 「あ♡ 前立腺みーっけ。うりうり〜」 「あがァッ!!♡ ヒギッ!♡ おほォ!?♡」  社の顔は羞恥に赤く染まりながら、暴力的なまでの悦楽で蕩けていた。喉からは野太いよがり声が何度も吹き溢れる。  触れてもいないのに、竿が直立する。  菊門をほじられるたびに、ブルンブルンと揺れる社の陰茎を見て、緑仙は愉快そうに笑った。 「あはっ、やーしろ♡ どんだけ悦んでんの? チンコ、犬の尻尾みたいにブンブン振っちゃってさぁ♡」  白く細い指が、頬からゆっくり下に降りていく。きっと、陰茎に触れようとしているのだろう。  社は溺れそうなほどの快楽に沈みながら、それでも抵抗しようと身を捩った。理性ではない。ほぼ反射だ。これ以上気持ち良くなるのが、怖かったのだ。  結論から言えば、それは失敗だった。  社が体を揺らした際、緑仙の指先が擦ってしまったのだ。  パジャマ越しの乳首を。  ビクンッと体が跳ね、社の竿が更に硬くなった。  緑仙が手を止めた。  その顔には、社の反応への困惑があった。 「えっ? ……えぇー?♡」  困惑は、すぐに喜悦で上塗りされてしまったが。 「え、マジで?♡ 社、乳首開発済みなの? 一人でオナって育てたんだ? 女の子になる準備してたんだぁ♡」  ムワッと、雄の匂いが強まる。緑仙のペニスが、昂りで一回り大きくなっていた。ボドボドと重い水滴の音が、ベッドの上に重なっていく。 「えー、恥っず♡ あ、じゃーさじゃーさ♡  せっかくだし、アナルと乳首だけでイっちゃおっか?♡」  拒否の言葉を漏らすより早く、社は上半身のパジャマを剥ぎ取られていた。  間髪入れず、緑仙の指が蠢く。前立腺をグニグニと犯し、露わになった乳首をムニムニと擦る。手で弄れない方の乳首には、舌を這わせた。ヌルヌルとねぶり、時折甘く噛む。  あらゆる刺激が神経を通り、密集し、特濃の快楽となり蓄積されていく。 「ああっ、があ!!♡」  咆哮のような喘ぎ。  ビクン、ビクン。  社の陰茎が、痙攣を始めた。  緑仙が欲情で瞳を濡らし、笑った。 「あ、イク? イクんだぁ?♡ イケよ。ほら、漏らせ。ぶびゅって射精しろ。でっかいクリトリスから、メスイキ精子出せ♡」  下品な言葉が鼓膜から脳味噌に注ぎ込まれる。  羞恥が燃え上がり、それを残らず快楽が押し流す。  そして。  どくん。  びゅっ。 「うわ、音出た♡」  緑仙の揶揄うような声を聞きながら、社はビュルビュルと吐精した。少しも触れることなく、乳首と前立腺だけで達したのだ。  熱い感触が、顎にまでかかる。ここまで激しい射精は初めてだった。二度三度と痙攣し、腹に白濁液のラインを描く。  それを、緑仙が左の指で掬い、口に含んだ。 「や、やめろ……汚い……」 「顔に僕の精子つけてるくせに、何言ってんの? ……うーん、でもやっぱり薄いなぁ。僕のと比べるとサラサラしてるし、量も少ない。社って見た目は逞しいのに、チンコは情けないんだな」  そう呟く緑仙のペニスは、湯気が立っていた。ひっきりなしに溢れるマグマのような先走りが、ぴちゃりと社の太腿に垂れる。  熱い。  自分が今吐き出した精液よりも、濃く滾っている。 「お、俺のは……普通だ。お前の……アレが、デカいんだよ……」   「え? アレ? アレじゃあ分かんないなぁ♡」  クスクスと笑い、緑仙は自分のペニスを、社の脚に擦り付け始めた。  ミミズのように大きく浮いた血管が、コリコリと刺激する。ここまで太いと、一瞬で海綿体に血を送り込み、何度でも容易に勃起できそうだ。  社はぼんやりした目で緑仙を見つめる。  きめ細かいスベスベした肌。  大きな紫の瞳。  小さな顎。  すっきりした鼻。  柔らかそうな唇。  滑らかな深緑のショートカット。  鎖骨に流れた三つ編み。  細い四肢。  くびれた腰。  どれを取っても、美少女だ。  それなのに。  陰茎の太さ。  陰茎の長さ。  カリの高さ。  エラ張りのえぐさ。  反り返りの逞しさ。  玉袋の大きさ。  精液の濃さ。  精液の多さ。  射精してもすぐに立ち上がるタフさ。  彼のペニスは、社の何倍も雄として優れていた。  きっと、百人の女性に聞けば百人が、自分の陰茎よりも緑仙の陰茎とのセックスを望むだろう。 (勝てない)  社は本能で、理解した。  まるでボスのハーレムを、敗北感を胸に遠巻きに眺める劣ったオスの獣のように。  自分の本気の精液よりも、何倍も濃い遺伝子情報が詰まっていそうな先走りを塗りつけられながら、彼は無意識のうちに屈服していた。 「だ、だから。……デカすぎるんだよ。お、お前の……チ、ンコ」 「あ♡」  ドビュウ。  緑仙の凶悪なペニスが、何の前触れもなく果てた。    ビュッ。ビュッ。ビュグッ。ブププ……。  社とは比べ物にならないぐらい、長くて濃い射精。  チューブから練乳を力任せに絞り出すような、固形物の如き射精。  それは途切れることすらなく、一本の真っ白い塊となって、社の太腿から顔までを縦断した。  それは数秒間、プルプルとうどんのように震えてから、自重に耐えきれずドロリと崩れた。  緑仙の睾丸の中身の匂いが、社の全身を包む。 「ハァッ……。ハァッ……♡ うわ、社のチンコ呼びエッロ♡ 思わずイっちゃったよ。二発目は社の中で出したかったんだけどなぁ」    呟いた側から、ググッと持ち上がるペニス。大きな睾丸から、ドクドクと精子を作る音が響いてくるようだ。 「ま、いっか。どうせ今からメチャクチャにするんだし♡」  ビクッ、と社の肩が跳ねる。  怖かった。緑仙のギラギラ獣欲に光る目も、逃がすまいと力の篭る汗ばんだ細い腕も、規格外の性機能をアピールする逞しい男根も。 「あは、怖がる社も可愛い」  舌なめずりをしながら、緑仙は濡れそぼったペニスで社の睾丸にキスした。続いて、舐めるように彼の平凡な陰茎を擦り上げる。  熱い我慢汁が「これは僕のものだ」と言わんばかりに、ヌラヌラと社の股間に絡む。 「分かる? これ、見せ槍って言うんだって。今から自分を犯すチンポの形を、雌にじっくりと見せつけるんだ。社はもう女の子みたいなもんだし、間違ってないよね?」 「だ、誰が……雌だ……」 「えぇー?♡ じゃあ乳首吸われてはしたなくイっちゃったのは誰かな? アナルほじくられてメスイキザーメンどっぴゅんしたのは誰かな? そ・れ・か・ら♡ 強い強いオスのチンポ擦り付けられて、か弱いチンポをクリトリスみたいに勃起させてるマゾ雌は、どこの誰かなぁ♡」  全て、真実だった。  緑仙の陰茎に突かれた社のペニスは怒張し、まるで降伏した犬が腹を見せるように、裏筋を露わにしていた。 「認めろよ」  歯をぎらりと覗かせ、緑仙は獰猛に笑った。そして、鬱陶しそうに自分のパジャマを脱ぎ去る。  全裸の社と緑仙が、ベッドの上にいた。  騎乗位の寸前のような体勢でのし掛かり、少女のような少年が囁く。 「お前は雌なんだよ、社。自分より強い雄を前にして、子宮の降りてきた雌だ」  ピトリ。  菊門に、熱くてムニムニした肉が触れる。  ドロドロと、先走りが染み込んでくる。  カッと、前立腺の辺りが熱くなる。  陰茎の根元より奥。  まるで、胎が疼くように。 「ほら、クパクパしてきたよ。そんなに欲しいんだ、僕の精子。自分より十歳近く若い、女顔の男の種が呑みたいんだ」  社は何も言わなかった。  ただ、自分の心臓の鼓動が、緑仙にバレていないことを祈った。  期待で先走りを迸らせるペニスを、どうにか隠せないか考えた。    グニ。  ゆっくりと、ゴムで包んだ鉄の塊のようなものが、尻の穴に入り込んできた。  解れきり、発情しきった菊門は、多少の圧迫感はあれど、少しの痛みもなく緑仙の肉棒を受け入れていく。  それどころか。 「あ゛っ♡」  緑仙の分厚い亀頭が、 「お゛ぉ〜っ♡」  幅広のエグいカリ首が、 「んぐぅっ♡ う゛ぅう〜♡」  太いグミのような血管が、前立腺の縁を擦るたびに。  とてつもない快楽の電流が、社の脳みそを走り抜け、股間からイカ臭い泡を迸らせた。  初めてのアナルセックスで、彼は普通ならばあり得ないほどの快楽を享受していた。 「フーッ!♡ フーッ!!♡」  荒い獣のような息が、緑仙から漏れる。  巨根が社の粘膜に擦れる度に、彼の丸い尻がブルブル震えた。背中がビクンビクンと痙攣した。  性感だけは、初心の少年そのものだった。  だが、その腰使いは陰茎に負けず劣らず凶悪だった。    生まれて初めてのセックスとは思えないほど、ネットリと快楽を擦り込んでいくような挿入。社の肛門に己の形を刻みつけ、他の雄や玩具ではイケなくしてやるという支配欲が、青臭さと共に溢れている。  そして遂に、緑仙の凶悪なペニスが、根本まで社のアナルに潜り込んだ。  凄まじい長さのものを、ゆっくりと挿入されたせいで、社の前立腺は既に二回も絶頂していた。  緑仙は社の腹に溜まった薄い精液を掬うと、そのまま彼の陰茎を扱いた。低い喘ぎ声が断続的に口から漏れる。 「ちょっと、僕まだイってないんだけど……」  快楽を押し殺したような震えた声で、緑仙が言う。その口元には恍惚とした、嗜虐的な笑みが浮いていた。  ゆっくりと引き抜く。彼が1ミリ腰を動かす毎に、発達したカリや動脈がゴリゴリ引っかかり、社の脳は蕩ける。  快楽に溺れた想い人の顔に、緑仙は舌舐めずりをする。 「ほんとっ、チョロすぎてさぁ。笑うよね。こんなにチョロいなら、最初からレイプしてれば良かったよ。あんな頭の沸いたコンドーム作戦なんてやらずにさぁ」 「や♡ ……やっぱ、あれはァ♡ お前のっ♡」 「そうだよ? ぜーんぶ、お前の隣を奪うために、僕がやったこと。いやあ、気持ちよかったなー。社のこと想ってひり出した精液で、社のナイトになれるんだもん。さっきのオナティッシュも良かったぁ。昔の僕なら、精子で指汚したお前の姿だけで十回はシコってるよ。ま、今の僕には必要ないけど……ねっ!♡」  いきなり、緑仙のペニスがズンッと突き入れられる。  あまりの快楽に社は呼吸が出来なくなった。パクパクと空気を求めて開閉する口に、緑仙の唇が重なる。呼気が注がれる。歯磨き粉のミントの香りが、鼻に抜ける。  タム、タム、タム。緑仙の腰が、ゆっくりと前後に揺れる。両腕で社の脚を上に向かせ、浅く腰を浮かせた状態で、リズミカルに出し入れする。 「気持ちいい? 社。って、聞くまでもないか。あはは、アヘ顔やっば。こんな顔……笹木達が見たら、どう思うかな?」 「……っ♡ に、にじさんじの仲間の名前は、出さないでっ……くれ♡」  社は両腕で顔を隠し、イヤイヤをするように首を横に振った。その隙間から羞恥の涙が溢れる。しかし、口からは快楽の涎が溢れている。  腹の中にある緑仙のペニスが、更に一回り太くなった。今の社の言葉に、痴態に、ますます昂ったようだ。 「えー、仲間ぁ?♡ うわ、かわいそ〜♡ 笹木かわいそ〜♡」 「な、何が……ほォ!?♡」  グリッと、亀頭が気持ちいいところを穿る。緑仙は喋りながら、社の弱点を研究しているようだった。 「だってさー♡ 笹木、百パーセント社のこと好きだよ?♡ 僕、あいつの友達グループと仲良いから知ってるんだ♡ 笹木のやつ、この家に来る時は毎回勝負下着つけてるんだよ?♡ ぜーったいお前とゲームしながら、期待でマンコ濡らしてるよ♡」 「りゅっ、緑仙……♡ やめろよ、仲間にそんなぁっ♡ こと、言うのっ♡」  たしなめようとするが、その度に緑仙の腰が角度を変え、弱点を突いてくる。喉から漏れる声は全て快楽で歪んでいた。  そんな社の反応を、うねる尻穴越しに楽しむようにして、緑仙は笑う。 「あは、ごめん。いや、僕もさ? あいつが良い奴だって知ってるよ? 努力家だし気遣いできるし、ライバーとしても尊敬してる。同じ陰キャ同士、幸せになってほしいとも思ってるよ? 社以外の男か女と、だけど♡」  ドチュッ、ドチュッ。緑仙のペニスが更に力強く突っ込まれる。見れば彼はガニ股になり、全体重でのし掛かるように上下していた。  俗に言う種付けプレスのような体勢だ。それが一番楽で、気持ちよくて、征服欲求を満たせるのだろう。緑仙は粘った唾液を口の端から漏らしながら、時折くいっ、くいっと腰の角度を調整し、バスンバスンと貪った。  ビタン、ビタンと大きな玉袋が社の尻たぶを叩く。それが、ギューっと縮んでいくのが分かった。精巣から陰茎へと、卵子を滅多刺しにするため、溶岩のような白濁が注ぎ込まれているのだ。 「あー、ヤバっ♡ 今までで一番濃ゆいの出そう♡ 社、ちょっと僕本気出すから♡ すっごい気持ちいい射精をえっぐいピストンで注ぎ込むから、孕むつもりで全部受け止めて♡」    言うが早いか、緑仙はヘコヘコと本能のままに腰を振った。やりたい盛りの若い雄の、全身全霊の種付けピストンが、社の大きな体をガクガク揺らす。  まるでウサギの交尾だ。人の理性があったのでは、まずやらないような獣じみた高速プレスで、緑仙は自分の気持ちいい射精とつがいの完全征服のため、社を便器扱いした。    緑仙の握り拳のように硬く縮んだ玉袋が、社の尻を叩く音。ペニスが凄い深さまで肛門を抉る音。完全に発情した二人の吐息。耳に栗の花が咲くような激しいセックスの音が、絶え間なく夜の寝室に敷き詰められる。  バスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバス!!  ドズドズドスドズドズドズドスドズドズドズドスドズドズドズドスドズドズドズドスドズドズドズドスドズドズドズドスドズドズドズドスドズドズドズドスドズドズドズ!!!  ヘッ♡ ヘッ♡ ヘッ♡ ヘッ♡ ヘッ♡ ヘッ♡ ヘッ♡ ヘッ♡ ヘッ♡ ヘッ♡ ヘッ♡ ヘッ♡ ヘッ♡ ヘッ♡ ヘッ♡ ヘッ♡ ヘッ♡  ヘッ♡ ヘッ♡ 「やしろ!♡ やしろやしろやしろやしろやしろ!!♡ 僕のっ♡ お嫁さんにっ♡ なって♡ なれぇ!!♡」  ピストンのたびに注がれる愛の告白。しかし、社にはもう聞こえない。「あ゛ー♡ あ゛ー♡」と動物のような喘ぎ声を漏らすので精一杯だった。  そして。  緑仙が社に一際勢いよく覆い被さり、口に舌をねじ込む深いキスをした瞬間。  ど ぶ っ !  び ゅ ぐ ぐ っ ! !  ご ぽ ぽ ぽ ぽ っ ! ! !  たっぷり、十秒間の重たい射精音。  絶対に自分の雌にするという、溢れんばかりの求愛本能が滲み出る、ビクンビクンという大きな痙攣と共に。    緑仙は自分の睾丸の中身を、一滴残らず社の中に注ぎ込んだ。  女であれば、間違いなく受精するであろう雄々しい種付けだ。  もちろん、社は男なのでどんなにゼリーのような精子を入れられたところで、妊娠できない。  それでも緑仙の顔は、自分の想い人に遺伝子を受け取ってもらえたという確かな満足感で、安らかな表情を浮かべていた。 「やしろ。……大好きだよ」  子どもが母親に甘えるように、社の体を抱きしめる。グチュ、という水音が響く。腹の上にある精液溜まりが、二人の隙間から溢れた。 「あは♡ 社、すっごいトコロテンしてる♡」  呟いた瞬間、全部出し切ったはずの緑仙の巨根が、みるみるうちに膨らんだ。玉袋は蠢動し、新たな種を作る。 「う……ごめん、社。僕、まだ全然治らないんだ。少なくともあと五回、このままの体位でヤらせて?♡」  社は答えない。  無言で、鈴口からドプッと精子を漏らした。  ほぼ気絶しているようなものだったが、辛うじて残った本能だけで、これから刻まれる快感を想像して達してしまったのだ。 「可愛いなあ、もう♡」  緑仙は社の陰茎を慰めるように、手を絡ませる。  その時だった。  ベッドの近くにある社のスマホが、光った。  着信音だった。 「……こんな時間に?」  緑仙は気を失っている社に代わり、合体したままでそれを手に取った。  画面には、『笹木咲』と書かれていた。  緑仙は小さく舌打ちした。 「……夜遅くに、非常識な奴だなあ。でも、何の用だろ。よりにもよって、こんなタイミングで。……まさか、監視カメラでも仕掛けてんじゃないだろうな」  スマートフォンは鳴り止まない。  緑仙は数秒間考え込んでから。  とても、薄暗く笑った。 「……社のスマホで、ハメ撮りライブ中継でも見せてやるか。そうすれば、笹木も諦めるだろうし」  白く細い指で、スマートフォンを触る。  パスワードは社の好きなキャラクターの誕生日。  ロック、解除。 「……いつか、このセックス記念日に設定させるからね、社」  ニヤニヤと悪戯っぽく微笑むと、緑仙は啄むようなキスを落とした。  それから、再びゆっくりとグラインドを開始しながら、テレビ通話ボタンを押した。 《了》


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