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茶柱たべたべ
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ライスシャワーがコチョコチョでトレーナーを蹂躙する話 中

 ライスシャワーにとって、トレーナーは祝福だった。  神様が彼女に与えてくれた光。  運が悪く、周りの人にまで不幸を振り撒いた人生に、ふわりと降りてきた天使の羽のような。  彼は、スプリングSで五着に甘んじた彼女を、肯定してくれた。  日本ダービーを逃した時も、菊花賞で沈んだ時も、励ましてくれた。  ライスシャワーのそばで起こる、どんな不幸に巻き込まれても、文句ひとつ言わず支えてくれた。  何より、信じてくれたのだ。  ライスシャワーでも、ヒーローになれるのだと。  報いたくて、応えたくて、精一杯努力した。  技が拙くとも、体が小さくとも、そのことごとくを精神力で捩じ伏せ、鬼気迫る鍛錬をした。  不思議と、辛くなかった。  傍に、トレーナーがいたから。  オーバーワークぎりぎりを、彼が見極めてくれた。脚の負担、体の負担、心の負担までケアしてくれた。  彼はライスシャワーだけを見てくれていた。  ライスシャワーも彼だけを見ていた。  彼の見つめる先へ、自分が行こうと思った。  春。  桜の舞うターフで、黒い刃が風を切り裂き、葦毛の戦友を背景にした。  彼女の連覇を阻んだ負い目から、終わった直後は観客席を見れなかった。過呼吸で、何も聞こえなくなり、意識が闇に沈みそうになった。  それを支える手があった。  隣に彼がいた。  泣いていた。  トレーナーが泣いていた。  その涙が、とても温かくて、闇が溶けた。  歓声が、光と共に飛び込んできた。  何人もの観客が、讃えてくれていた。  そして、共に走った美しい銀髪の少女が、穏やかな笑みで拍手をくれた。  自分はここに居ていいのだ。  そう思った。  六月の雨が、京都レース場を叩いていた。  宝塚記念の日の空は、誰かが泣いているようだった。  誰も彼もが、胸騒ぎを覚えるような湿気。  それを、ライスシャワーの疾駆は蹴散らした。  雨粒までもが、彼女に道を譲った。  暗雲も、涙も、ライスシャワーの影すら踏まず、虹の彼方へと消えた。  そして、淀の坂を乗り越えて、2200メートルの長い旅路を終え、帰ってきた彼女を迎えたのは、割れんばかりの歓声だった。  ファンが、ライバルが、皆んなが、彼女のことを祝福した。  そんな中で、トレーナーが抱きしめてくれた。  彼はもう、泣いていなかった。  ただ、赤い目で、口元にあるかないかの微笑を滲ませて。 「ありがとう」  言った。  穏やかに。  万感の思いを込めて。 「皆んなの笑顔を守ってくれて、ありがとう」  笑顔。  誰も彼もが笑っていた。  彼女の走りが生み出した笑顔だった。  ライスシャワーは、ようやく自分がヒーローになれた気がした。  幸せを呼ぶ青い薔薇になれた気がした。    長い、長い時間。  その果てに、ライスシャワーはURAを制した。  トレーナーと走った三年間だと思う。  彼の隣は心地よくて、穏やかで、そのくせ鮮烈だ。  競い合うライバルが出来た。  高め合う友人が出来た。  応援してくれるファンが出来た。  皆んな、大好きだった。  自分の走りが、皆んなを笑顔にしている事実が、この上なく誇らしかった。  素晴らしい三年間だった。  だけど。  その三年間のせいで、ライスシャワーは、罪を犯した。  トレーナーを、愛してしまった。  愛は罪ではない。  親愛、友愛、敬愛。  どんな形であれ、その全てが尊いものだ。  世間一般ではそうだろう。ライスシャワーにとってもそうだ。  それらの愛を、彼女はトレーナーに対して抱いていたし、そのことを隠すつもりもなかった。  長い時をかけて、育んだ信頼。  そこに、恋慕の情が混ざりはじめていた。  少女の可愛らしい恋心。  陽を浴びて開いた、良い匂いのする花のような。  花だったのだ、最初は。  それを心に抱えて、彼と接した。  抱えるまで、何とも思わなかったトレーナーの機微が、やけに気になった。  喉仏。  筋肉の膨らみ。  汗の匂い。  全てが、ねっとりと心に絡んだ。  心の花に絡んだ。  花が、続々と実を付けていくのが分かった。  甘くて粘い汁を滴らせる、ぬらぬらと光った実。  どこにも可愛らしさのない、気持ち悪い実。  性愛だった。  ライスシャワーにとって、トレーナーは祝福だった。  自分の隣で、どんな時も支えてくれた、尊い人だった。  そんな彼を、邪な目で見てしまう自分が、許せなかった。    愛は罪ではない。  しかし、聖に性を見出すことは、罪だと思う。  罪に、ライスシャワーは心を焼かれた。  トレーナーのことを想うと、胸が苦しくなった。  彼と喋っていると、頬が火照った。  服から覗く肌を見ると、唾液が粘った。  生まれて初めて、腹の底が疼く感覚を、経験した。  欲しい。  お兄さまが欲しい。  強く、トレーナーのことを想った。  彼の指が自分の手に絡み、愛おしそうに握るのを何度も夢見た。  絵本に出てくるような、可愛らしいキスも。  御伽噺には描かれない、生臭い『その先』も。  人には決して言えない、浅ましい妄想に耽った夜は、一度や二度ではきかなかった。  彼を想って自分を慰めた夜は、決まって短剣を探してしまう。  腹の奥で甘い熱を持つ何かを、抉り出したかった。  これさえなければ、自分は何の負い目もない青い薔薇でいられるのに。トレーナーの隣で、無垢に笑えるのに。  罪悪感の反動だろうか。  ある日、悪夢を見た。  トレーナーに告白して、拒まれる夢だ。  それだけならいい。  夢の中で、ライスシャワーは獣だった。  自分を拒んだ雄を、絶対に許さない雌。  首を強く噛もう。大人しくなる。  足も折ってしまおう。逃げられないように。  唇は貪っちゃおう。拒絶の言葉より、甘い唾液の方がいい。  傷があったら穿っちゃえ。体が生命の危機と勘違いして、種を残そうとするから。  人間は弱い。  ウマ娘は強い。  弱い雄は、強い雌に屈服するのが自然の理。  この身の程知らずを分からせるのだ。  ライスを見ろ。  ライスと番え。  目覚めても、夢の残滓は頭にこびりついていた。  獣の道理が、それに従おうとした自分が、とても恥ずかしかった。  あんな夢を見させた自分の深層心理が、とても気持ち悪かった。  その時履いていた下着は捨てた。どうしようもないほどに汚れていて、二度と脚を潜らせたくなかった。  罪悪感でいっぱいになり、トレーニングを休んだ。自分がそばに行くと、彼が汚れてしまうと思った。  そんなライスシャワーを、彼は心配してくれた。  電話越しに聞いた声は、とても穏やかで、優しかった。  それがいけなかった。  許されたと思った。  途端に、もっと、欲しくなった。  ライスシャワーは翌日から、トレーニングに顔を出した。  彼女の中の獣欲は少しも減っていなかったが、それでも、トレーナーの傍にいた。  手を出さなければ良い。  現実に蹂躙さえしなければ、彼を汚したことにはならない。  少なくとも、トレーナーはそんな自分を、こうして受け入れてくれている。  ライスシャワーは自分にそう言い聞かせ、トレーニングに励んだ。  トレーニングの始まる前、合間、終わった後。  トレーナーの姿を見た。  トレーナーの声を聴いた。  トレーナーの匂いを嗅いだ。  トレーナーの存在を自分に焼きつけた。  そして夜が来ると、ウマ娘の優れた五感で毟り取った彼の情報を、頭の中で繋げ合わせ、再生した。  意識して記憶したトレーナーは、それまでの想像の彼よりも、リアルだった。  湯気が立つほど、慰み者にした。  どんどん、タガが外れていくのが分かった。  頭の中の彼を辱める度、もっと解像度を上げたくなった。  色も音も臭いも分かる。  しかし、肉の感触が欠落している。  触りたかった。  トレーナーの身体をまさぐり、肌触りや温度を記憶して、よりリアルになったイメージを、凌辱したかった。  でも、実際に肌を貪るのは、彼を汚すことにならないか。  大切なトレーナーを、そんな目に遭わせたくない。  ライスシャワーは困った。  そして、考えた。  トレーナーを汚さずに触れる方法だ。  ようは、それが善意からくるものであればいい。  彼のためを想っての行動で、結果的に肌に触れてしまったのならば、汚すことにはならないのではないか。  ライスシャワーはそう結論付けた。  頭の中で、何がトレーナーの助けになるのか考えた。  そのためには、彼が何に困っているのかを考える必要があった。 (お兄さま、最近ストレスが溜まっているみたいだった)  ここ数週間の彼のことを思い返す。  彼の体臭。  汗の匂いに、今までとは違う何かが混ざっている様に感じていた。  ウマ娘の嗅覚は人の何倍も優れている。  それに加え、ライスシャワーはトレーナーの匂いを熟知していた。  シャンプーは何を使ったか、昨日何を食べたか、自慰を最後にしたのはいつか、次にするのはいつ頃になりそうか、彼の機微が、彼の匂いから全て分かるほどに。  とにもかくにも、そんな嗅ぎなれた彼の体臭に、ストレス由来のものが混ざり込んでいる。  それを自分が解消してやればいい。  ライスシャワーはふと、昔読んだ本のことを思い出した。確かそこには、『笑いはストレス解消に効く』という内容が記されていた。  つまり、彼を笑わせてやればいい。  そのために、どれだけ彼の身体をまさぐっても、それは決して疚しいことではない。  ライスシャワーは自分に言い聞かせていた。  ぞくぞくと、背中に走り抜ける甘い電流は、知らないふりをした。  指の腹に残る体温が、まだ冷めない。  ライスシャワーは走りながら、昨日のことを思い返す。  自分の股の間で身を捩る彼の姿を、何度も思い返す。  くすぐったさに耐えかね、もがいていたトレーナーの姿を。  可愛らしかった。  やはり馬乗りはいい。  脚が、股が、尻が、接する彼の微細な動きを、隅々まで感知していた、  弱いところをくすぐる度に、彼の体がピクンと震えるのが分かった。  もっとくすぐった。  もっともっとくすぐった。  まるでイヤイヤをするように暴れる彼を、容易に制し、もっとえぐいくすぐったさを流し込んだ。  その果てが。 「ふふ」  ライスシャワーは楽しそうに笑っていた。  赤面して「失禁しそうだ」と告白するトレーナーは、あまりにも弱々しくて、愛しかった。  そこまで追い詰めた事実が嬉しかった。  自分以外の人間が、彼にそんな台詞を言わせられる訳がない。それも、あそこまで大爆笑させながら。  ライスだけが聞いた台詞。  ライスだけが見た表情。  ライスだけが知っているお兄さま。 「ふふ」  それに、とライスシャワーは笑みを深くする。  最後に彼は、彼女の頭を撫でてくれた。礼まで言った。感謝したのだ。ライスシャワーのくすぐりに。  思わぬ収穫物だった。 (お兄さまは、おしっこを漏らす寸前まで辱められても、ライスが相手なら感謝するんだ)  それだけ、信頼されているのだろう。  濃い喜悦が、胸の中にドクドクと溢れるのを感じた。  彼と一緒に走ってきた三年間は、決して無駄ではなかった。その長く、濃密な時間のお陰で、自分は彼にとって特別な存在になったのだろう。  彼は自分を愛してくれている。  でも、まだ満足はできない。  それはトレーナーとして、教え子に抱く愛情だ。  いつか、そこに自分が抱えているのと同じぐらい、獣じみた性愛が混ざってほしい。  お兄さまと番いたい。  そんなことを思いながら、走る。  風が頬を撫でていく。  あと1キロほど走れば、言いつけられていた距離を全て終えたことになる。  そうなれば、トレーナーのところに行き、次の指示を仰げる。その際、頭を撫でられたりするかもしれない。  ライスシャワーはワクワクしながら、ふと、彼の方を見た。  奥歯が軋んだ。  彼の隣に、見知った女が立っていた。 (桐生院さんだ)  桐生院葵。  トレーナーの同期だという女性だ。  何度か話したことはある。真面目で気配りの出来る、優しい女性だと思った。好きか嫌いかで言えば、好きな人だった。  桐生院もまた、ライスのことを可愛がってくれていた。  まだ、彼を愛する前の頃の話だ。  今は違う。  桐生院は今もまだ、ライスのことを可愛がってくれている。  まるで、娘のように。  吐き気がする。  もう、ライスシャワーは彼女のことが好きではなかった。  嫌いだった。  彼女を前にすると、トレーナーは強いストレスを感じるようだった。汗に、ひときわ強い動揺の匂いが混ざり込むのである。  理由は何となく分かっている。  鬱陶しいのだ、あの女が。  ライスシャワーは気付いていた。桐生院が彼を前にする時、雌の匂いを垂れ流すことを。  忌々しいことに、あの女はトレーナーに惚れているのだ。  それはきっと、当のトレーナーも気付いていることだろう。 (可哀想なお兄さま)  強いストレスを感じるのも、無理からぬ話だ。ライスシャワーはそう思う。  彼の気持ちになって考える。  自分に、同期の女が思いを寄せている。いやらしい目で見てくる。ギトギトした性欲を向けてきている。  自分には強い絆で結ばれたウマ娘がいるのに。  鳥肌が立つほど、気持ち悪かった。  トレーナーのストレス源は、十中八九あの女だ。  そんな女に、今日もライスのお兄さまが絡まれている。 (ストレス、解消してあげないと)  ライスシャワーは音もたてず彼の背後に立ち、脇腹をまさぐった。トレーナーは案の定、けたたましい笑い声をあげた。 (ふふ、お兄さま、くすぐったがり屋さんなんだね)  そんなことを思いながら、ライスシャワーは指遣いを早めていく。倍加したくすぐったさに、トレーナーが身を捩るのを楽しむ。  もがいているようだが、無駄だ。  絶対に逃がさない。  何度も背後に回り込み、くすぐれば、ついに彼は白旗を上げた。  これできっと、ストレスも和らいだだろう。  ライスのことを、もっと好ましく思ってくれたはずだ。  達成感が、胸に溜まる。  それでも、一応は謝罪もしておく。  謝罪しながら、自分がどうしてくすぐったのかを伝える。 (お兄さまのためにやったんだよ。桐生院さんから守るために)  その気持ちが伝わったのだろうか。  彼は『次からは、二人きりの時にくすぐってくれ』と言った。  お兄さまと、二人きり。  嬉しかった。    ライスシャワーはちらりと、桐生院のほうを見た。勝ち誇った笑みを、口元に溜めながら。  その唇が、ぴくんと痙攣した。 (何、その目)  桐生院は、ライスシャワーに向かって敵意の籠った視線を投げかけていた。  一瞬だ。一瞬後に、彼女はもとのヘラヘラした表情に戻った。  ふと気が緩み、本性が漏れ出したような有様だった。  気に喰わなかった。  嫉妬しているのだろうか、自分に。  三年間、お兄さまと一緒に過ごしてきたライスに、ジェラシーを向けているのか。 (桐生院さんは、お兄さまに応えるために、靴を潰すぐらい走り込んだりしたの?)  気に喰わなかった。  何も捧げることなく、横からしゃしゃり出ているこの女が、気に喰わなかった。  自然、こちらの視線にも敵意が籠った。 (何もそぎ落としてこなかった癖に、甘いところだけ持っていこうなんて、虫が良すぎるよ。いくらお兄さまと同じヒトだからって、それだけでライスたちの絆に勝てるわけないのに)  ライスシャワーにとって、桐生院は悪だった。  ハッピーミークという自分のウマ娘がいながら、同期のトレーナーを視線で犯すヒトメス。  トレーナーなら、自分のウマ娘だけ見るべきだ。 (少なくとも、お兄さまはそうしてる。ライスだけ見てる。お兄さまとライスは通じ合ってる。今はまだでも、いつか絶対恋仲になる)  だから、お前なんて入り込む隙はないんだ。  なのに。 「何だか凄いですね、お二人の掛け合い。ライスちゃんとの信頼関係がひしひしと伝わってきます。まるで親子みたいですね!」  桐生院は、そう言った。  ライスシャワーとトレーナーの関係を『親子』のようだと言った。 (ふざけるな)  自分の眼に、青い鬼火が宿るような感覚。  憎悪と憤怒で、脳味噌が沸き立つようだった。 (ライスはお兄さまの娘じゃないお兄さまはライスのお父さんじゃないお前がこれみよがしにライスに優しくするのはお母さんみたいに振る舞ってお兄さまにアピールするためだろ分かっているんだそんなことは気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪いお前はライスのお母さんじゃないお兄さまの奥さんにはなれないお前はお兄さまと結婚できないお前はお兄さまと交尾できないライスがお兄さまと番うんだお兄さまはライスのものだ)  悪罵の限りが頭蓋骨の中を跳ねまわる。もう少しでそれが舌先に乗り、空気を震わせそうだった。  しかし、そんなことをしたのではトレーナーが悲しむかもしれない。ライスシャワーはトレーナーが自分のことを『いい子』と思っていることを知っていた。  だから、胸の内で膨らむ真っ黒な感情を、出来るだけそぎ落として短くして見栄えを良くして。 「ライスとお兄さまは、親子じゃないよ」    ボタボタと、口にした。 「親子みたいに仲良いけど、親子じゃないんだよ? 桐生院さん」  だから、ライスはお兄さまと結婚できる。  愛し合える。  それを言外に含ませ、ライスシャワーはにっこりと嗤った。  桐生院の眼に、一瞬怖いものが宿ったが、すぐに元の表情に戻った。 「そ、そうだね。ライスちゃんとトレーナーは、親子じゃないよね。ごめんね、変なこと言って」 「あ、いや。良いんですよ、桐生院トレーナー。別に、そこまで謝ることじゃ」  トレーナーは慌てた様子で言った。それから彼はライスシャワーに視線を向け、宥めるような声で言った。 「そうだよな、ライス。別に、怒ってる訳じゃないよな」 「……うん」  ライスシャワーは微笑みを浮かべながら、頷いた。案の定、安心した様子でトレーナーが頭を撫でてくれた。彼の匂いと体温が五感に絡み、尻尾の付け根の辺りがゾクゾクした。 (桐生院さんは、こんなことしてもらえないよね)  そんな気持ちを込めて、彼女は再び、桐生院に冷たい視線を向けた。  心の中には、優越感が充満していた。  このままいけば、きっと一年も経たないうちに、恋人になれるだろう。  夢想が心を蝕んだ。    数日後、自分がどん底に落されるとも知らずに。


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